人差し指を上げた医者のイラスト 低血糖時の対処法は、意識があり自分で対処できる場合と意識がはっきりとせず自分で対処できない場合の2つのケースを考えなくてはなりません。

糖尿病患者様は、低血糖がいつでもおきる可能性があるので、必ずブドウ糖などを携帯する必要があります。
応急処置や医療機関への連絡をご家族や周りの人が行うケースもあるため、自分の低血糖の症状や対処法を家族や周りの人によく理解していただくことも大切です。

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低血糖時の対処法 ~意識がある場合~

「この症状は低血糖かも」と感じたら、すぐにブドウ糖10g、ブドウ糖を含む清涼飲料150~200ml、砂糖20gのいずれかを摂取し安静にします。15分ほど経過しても低血糖症状が治まらなければ、再度同じものを摂取します。
それでも症状が治まらない場合は、すぐに医療機関を受診してください。

α‐グルコシダーゼ阻害薬を服用している患者様は、砂糖などの多糖類では分解・吸収が抑制されてしまうのでご注意ください。(α-グルコシダーゼ阻害剤自体は低血糖発作頻度が少なく、必ずしもブドウ糖必携でないです。。)

運転中に低血糖症状が現れた時には、すぐに車を安全な場所に止めて対処しましょう。

低血糖時の対処法 ~意識がもうろうとして自分で対応できない場合~

本人の意識がもうろうとしていたり昏睡している場合、ご家族や周りの人に応急処置してもらうと同時に、医療機関への連絡や救急車を呼んでもらう必要があります。

応急処置は、ブドウ糖を家族などに口に含ませてもらう、飲み込むことが難しければブドウ糖や砂糖を水に溶かして口唇と歯肉の間に塗りつけてもらうようにします。
そのほかの応急処置として、医師や病院で指導を受けたご家族が血糖値を上げるためにグルカゴン製剤を点鼻あるいは注射する方法があります。

低血糖に対しての備え、予防・日頃からできることとは?

第一になるべく低血糖にならないことが大切。過去に低血糖になった経験を生かして、自分が低血糖になりやすい状況や原因を排除しましょう。
医師に相談すれば、低血糖にならないように食事療法や薬の種類・量を見直すこともできます。

自分では対処できない低血糖状態になることも考えられます。自分の症状や対処の仕方を前もってご家族や周りの人に説明して、低血糖に対する理解を深めてもらうことも大切な事前の備えといえるでしょう。

低血糖に備えて常時携帯しておくもの

ブドウ糖10g、ブドウ糖を含む清涼飲料150~200ml、砂糖20gのいずれか。医師に必要摂取量を確認して、常時携帯しておきましょう。症状を感じたらすぐに摂取してください。
スルホニル尿素類内服中、インスリン注射をしている患者様は、必ずブドウ糖を携帯して服用してください。

運動時の低血糖予防

運動をすれば、インスリンに対する感受性の改善や筋肉細胞でのブドウ糖の消費を理由に血糖値は下がります。このため運動中や運動後には低血糖がおこりやすくなります。
いつもより長時間の運動や強度の激しい運動はなるべく控えてください。また空腹時の運動も控えましょう。

運転時に低血糖になったら事故をおこすリスクを孕んでいます

自動車運転時に低血糖をおこすと、自分だけでなく周囲を巻き込む事故に発展するリスクを孕んでいます。危険性を理解して、準備を怠らないようにしてください。

  • 運転中に低血糖症状を感じたら、すぐにハザードランプを点滅させて路肩など安全な場所に車を停める。
  • 車にブドウ糖やブドウ糖を多く含む食品を必ず常備しておく。
  • 糖分を摂取してしばらく安静に。可能であれば血糖測定を行って十分な血糖値の上昇を確認してから運転を再開しましょう。
  • 無自覚性低血糖があり、自分で血糖値をコントロールできない場合は運転を控えて下さい。
  • 低血糖をおこしやすい人は空腹時の運転は避ける。

糖尿病患者用IDカードを携帯しましょう

糖尿病患者用IDカードとは、重症低血糖や交通事故などの緊急時に糖尿病患者であることを周囲に示し、ただちに適切な処置を受けられるようにするためのカードです。日本糖尿病協会から発行されています。
搬送者が糖尿病患者と分かれば医療機関への救急搬送時にとても役立つので、財布や胸ポケットに入れて常に携帯しましょう。

スマートフォンアプリにも緊急連絡用IDカードがあります。自分の状態を説明できない時に緊急連絡先などを表示することができるアプリです。
AndroidやiPhoneの各マーケットで「緊急連絡 糖尿病」で検索しください。