インスリン療法では、患者様自身で注射する自己注射が基本です。注射器は改良が進んでとても簡単に注射できるようになっています。
現在、便利で手軽なペン型注入器が主流となっており、使い捨てタイプのキット製剤と注入器にカートリッジ製剤を装着して使用するタイプがあります。
技術の進歩によって、注射器の針は短く細くなっています。患者様が注射時に痛みをなるべく感じないように抵抗がなくなる工夫もされています。
使用している注射器や製剤によって使用方法が異なるため、自己注射をはじめる前に病院で指導を受けます。また、注射する時間・インスリン単位は医師より指示されます。
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インスリン注射器の使い方・手順
- 必要な物品を準備する。注射薬の残量を確認しましょう。
- 流水で手を洗う。
- 濁った製剤(懸濁製剤)の場合、上下に10回ほど振り、手の中で転がす。全体が白っぽく均一になるまで。
- 注射する部位を決める。
- 注射製剤のゴム栓を消毒し、針をゴム栓に垂直に刺してしっかりと取り付ける。針のキャップを外す。
- 空打ちをする。針先をまっすぐ上に向け、注入ボタンを押して液が出ることを確認する。
- 医師に指示された注射の量に単位を合わせる。
- 注射する部位を消毒し、針を皮膚に垂直に刺す。
- 注入ボタンを単位が0になるまで押し、押し込んだまま10秒数える。
- 注入ボタンを押したまま、ゆっくり注射針を抜く。
- 針にキャップをつけて外し針捨てに。直射日光を避けた室温で保管する。
注射に適した部位は?
インスリン自己注射は皮下に注射します。
注射に適した部位は、お腹、上腕の外側、おしり、太ももなど。部位によって薬の吸収速度が異なります。吸収速度の早い順は、お腹→上腕→おしり→太ももとなります。
部位の同じ箇所に注射し続けると、その部分の脂肪が変化して固くなり薬をうまく吸収できなくなります。同じ部位の中でも注射を打つ部分は毎回少しずつずらしましょう。
注射製剤の保管方法と廃棄について
未開封の注射製剤は、冷蔵庫の凍らない場所(2~8℃)で保管します。凍結を避けるため冷却風のあたらないドアポケットなどに入れましょう。
使用中の注射製剤は、直射日光を避けた涼しい室温で保管します。
使い終わった注射器の廃棄方法は、かかりつけの医療機関や薬局などからの指示がある場合はそれに従ってください。
一般廃棄物として廃棄しなければならない場合は、お住まいの地域の規定に基づき適正に廃棄してください。