現代日本人の2人に1人が悩まされているといわれるアレルギー疾患(平成23年 リウマチ・アレルギー対策委員会報告書)。城内病院でも、アレルギー疾患の患者様が年々増加しています。

今回の記事では、アレルギーのメカニズムを理解するために必要な知識として、免疫、アレルゲン、アレルギー反応について解説します。 また、城内病院に訪れる患者様で圧倒的に多いⅠ型アレルギーについても詳しく解説します。

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免疫はからだを細菌やウィルスから守る仕組み

子供に注射を打つ医師のイラスト免疫とは、外部から体内に侵入する異物(細菌、ウィルス、花粉、ダニなど)から体を守るために、わたしたちが生まれつき持っている仕組みのことです。

体内に侵入する異物を抗原と呼びます。抗原が体内に侵入すると、からだは対抗する物質である抗体を作って異物である抗原を排除しようと反応します。

たとえば、インフルエンザや幼児期に受ける伝染病の予防接種は、免疫の仕組みを利用したものです。
予防接種により体内にあらかじめ細菌やウィルスの抗体を作っておきます。
そののち細菌やウィルスが体内に侵入した時に、あらかじめ作られた抗体が細菌やウィルスを異物=抗原として攻撃・排除します。
このようにして免疫の仕組みは、からだを細菌やウィルスから守っています。

アレルゲンによるアレルギー反応とは?

アレルギーに悩まされる女性のイラストアレルギー反応とは、通常はからだを守る免疫の仕組みが異物=抗原を過剰に攻撃して、逆にマイナスの症状を引き起こしてしまうことです。
アレルギー反応によって現れるマイナスの症状は、年齢、体質、体調や環境などによってさまざまです。

このアレルギー反応を引き起こす抗原をアレルゲンと呼びます。
小麦やそばなどの食物、スギやヒノキなどの花粉、ダニ・ハウスダストなどさまざまなものがアレルゲンになり得ます。
つまり、年齢、体質、体調や環境など人それぞれによってアレルゲンになる物質も異なるということです。

アレルギーで圧倒的に多いⅠ型アレルギー

アレルゲンの種類によって、発症するアレルギーも異なります。アレルギー反応は、アレルゲンによってⅠ型~Ⅴ型までに分類されます。

城内病院に訪れる患者様は、Ⅰ型アレルギーが圧倒的に多いのが現状です。Ⅰ型アレルギーは、食物、花粉、ダニ・ハウスダストなどがアレルゲンとなります。

Ⅰ型アレルギーの代表的な疾患は、アレルギー性鼻炎、花粉症、アトピー性皮膚炎、結膜炎、気管支喘息、じんましん、アナフィラキシーです。

Ⅰ型アレルギーは、体内にアレルゲンが侵入して数時間以内に症状が出ることが特徴で、即時型アレルギー反応と分類されます。

即時型のⅠ型アレルギーのIgE抗体とは?

即時型のⅠ型アレルギーの場合、侵入したアレルゲンを攻撃・排除しようと免疫グロブリンと呼ばれるタンパク質の一種のIgE抗体が体内に作り出されます。

作り出されたIgE抗体は、皮膚や粘膜の下にあるマスト細胞の表面や血液中の白血球の一種である好塩基球の表面にくっつき、アレルゲンを待ち受けています。

再びアレルゲンが侵入して、待ち受けているIgE抗体と結合すると、マスト細胞が活性化してヒスタミンやセロトニンなどの炎症性の化学物質が過剰に放出されます。

このヒスタミンやセロトニンはかゆみの原因となる物質であり、血管の透過性を増させて、粘液などの滲出液(しんしゅつえき:毛細血管から組織内にもれ出た血漿成分からなる液)を出させる働きや浮腫などからだの一部を腫れさせる働きがあります。
その結果、即時型アレルギー反応のアレルギー性鼻炎やじんましんなどが現れます。

また、遺伝的な体質によりIgE抗体が作られやすい方は、アレルギー疾患を発症しやすいといわれています。

アナフィラキシーの危険性について

Ⅰ型アレルギーに属するアナフィラキシーとは、発症後短時間のうちに、全身的にかゆみ、腫れ、じんましん、呼吸困難などのアレルギー症状が現れることです。

アナフィラキシーは、薬、蜂などの虫刺され、食物などさまざまなものがアレルゲンとなります。
アナフィラキシーは、一度目のアレルゲンにさらされたときには大きな症状は少ないのですが、からだに感作(体内に特定の抗原が作られた状態で、同じ抗原の再刺激に感じやすい状態になること)されたのち、二度目にアレルゲンにさらされたときに生じる可能性があります。

さらに、病態が進行すると血圧低下や意識障害などを引き起こすアナフィラキシーショックに陥ります。アナフィラキシーショックは生命に関わる危険な状態になることがあり、緊急治療を行う必要があります。

アナフィラキシーショックは生命に関わることもあります。城内病院では一度アナフィラキシーショックを経験した方に、ボスミンという注射を家庭で所持して頂いて、もしものときには自分で注射して頂けるように指導しています。