カルテを持ち説明する医師のイラスト冠動脈の動脈硬化が原因である狭心症と心筋梗塞。狭心症は心筋梗塞へと進行する可能性がある疾患、心筋梗塞は直接命にかかわることもある危険な疾患です。

本記事は、城内病院循環器科での狭心症と心筋梗塞の検査・診断、治療、予防、心臓リハビリテーションについて解説します。

狭心症については、冠動脈疾患 狭心症についてを参照してください。

心筋梗塞については、冠動脈疾患 心筋梗塞についてを参照してください。

狭心症と心筋梗塞 城内病院の検査と診断

狭心症と心筋梗塞の検査と診断のために城内病院に来院される方で多いのは、「夜中に胸がしめつけられるように痛い」と訴えられる方です。
健康診断において、糖尿病、高血圧、脂質異常症や心電図異常を指摘されて来院する方もいらっしゃいます。

城内病院での狭心症の検査と診断

まず、問診において患者様に、いつ痛むか、どこが痛むか、どのような症状があるか、発作の持続時間、どのようなときに胸が痛むのか、今まで指摘された病気などをお尋ねします。

つぎに、心電図、血液検査や胸部のレントゲン検査。さらに、場合により心エコー、頸動脈エコーや胸部のCT検査などを行います。
これらの問診と検査の結果により、狭心症の可能性があるかどうかを診断していきます。

城内病院では、さらに労作性狭心症が疑われる場合はマスター心電図、異型性狭心症が疑われる場合はホルター心電図で検査を行います。

マスター心電図検査
階段昇降をして心電図変化を見る。運動することで狭心症の症状が再現されることがある。
ホルター心電図検査
体に電極を貼り、心電図を24時間記録する。自覚症状のない血管攣縮による心電図変化を検査する。

狭心症が重度で精査が必要と判断した場合は、冠動脈のどの部分が狭くなっているかを診断するために必要な心臓カテーテル(医療用に用いられる中空の管)検査を行います。心臓カテーテル検査はご紹介する医療機関にて行っていただきます。

心臓カテーテル検査の時点で治療が必要な場合は、ご紹介した医療機関にてカテーテルによる治療で冠動脈を広げます。
カテーテルによる治療とは、狭まった冠動脈をバルーン(風船)で広げる時、広げた冠動脈患部が再び狭くならないようにステント(金属製ネット)で血管壁を補強する時に、カテーテルを使って行う治療のことです。

城内病院での心筋梗塞の検査と診断

心筋梗塞の疑いを持って城内病院を来院される患者様には、まず問診で、いつ痛むか、どこが痛むか、どのような症状があるか、発作の持続時間などをお尋ねします。

つぎに、血液検査、心電図検査、胸部レントゲン、CT検査(似た症状の急性動脈解離や肺塞栓症と区別するため)を行います。
城内病院では、頸動脈がアテローム硬化している方は冠動脈も硬化している場合が多いため、頸動脈エコーでの検査も行います。

検査により心筋梗塞が疑われる場合、救命と心筋の壊死を少しでも早く救う目的で、冠動脈のどこがどのように閉塞しているのか、あるいは狭くなっているかを正確に診断し狭くなった冠動脈を広げる必要性があります。
その必要性の確認のために、ご紹介する医療機関に救急車で搬送し、迅速に心臓カテーテル検査を行っていただきます。

城内病院での狭心症と心筋梗塞の治療

狭心症と心筋梗塞の治療において大切なことは、なるべく早く治療することです。
とくに、心筋梗塞は早く治療することで心筋の壊死部分を最小限に留めることができます。

城内病院での狭心症の治療

狭心症ではあるが心筋梗塞に移行する心配がない患者様には、冠動脈を拡張させ、胸痛など狭心症状を抑える薬と冠動脈が詰まることを予防する薬を処方します。

また、生活習慣病がある方、喫煙習慣がある方や肥満の方などには、適正な生活習慣病の改善を目的として、生活習慣指導、栄養指導や運動指導を行います。
それでも生活習慣病が改善しない場合は、心筋梗塞への予防のための投薬処方をします。

一方、発作の頻度が高い、発作の持続時間が長い狭心症の患者様には、心筋梗塞に移行する前に心臓カテーテル検査やカテーテルによる治療が必要です。
心臓カテーテル検査やカテーテルによる治療は、ご紹介する医療機関にて行っていただきます。

その後は城内病院で薬物療法、生活習慣指導、食事指導や運動療法を受けて症状を観察しながら治療を続けます。通院にて治療を継続することも可能です。

城内病院での心筋梗塞の治療

心筋梗塞を発症して発作に苦しんでいる患者様に対しては、とにかく早く治療しなければなりません。すぐに救急車を呼んでください。

城内病院がかかりつけ医の患者様が心筋梗塞をおこしたら、すぐに城内病院に電話などでお知らせください。
患者様の状態を伺って、すぐに救急車を呼ぶべきか、一度城内病院に来院されて検査すべきかをお伝えします。

心筋梗塞の治療の基本は、カテーテル検査で診断を確定させたうえで、なるべく早くかつ正確に、閉塞した冠動脈を再び開通させるカテーテルを使った再灌流療法を行うことです。
心筋への血液の供給を再開させることによって、心筋の壊死部分を最小限に留めることができます。

再灌流療法とは、狭くなった冠動脈を拡張させるためのバルーン(風船)、拡張させた部分が再度狭くならないように血管壁を補強するステント(金属製ネット)を、カテーテルを使って患部まで送り込む治療法です。

心筋梗塞は6~8時間内に心筋の壊死が進むために、城内病院では、発症して6時間以内にご紹介する医療機関に患者様を送り、検査と治療を受けていただくように心がけています。

狭心症と心筋梗塞の予防について

狭心症と心筋梗塞の予防の基本は、冠動脈の動脈硬化を防ぐことです。
動脈硬化の治療は、主に食事療法、運動療法、薬物療法です。ほかには、禁煙、ストレスの解消、良質な睡眠をとるための指導、気持ちを前向きに持つための指導などがあります。

動脈硬化の治療については、動脈硬化(4)城内病院での治療において詳しく解説しています。参照してください。

城内病院の心臓リハビリテーションについて

指を立てる医師のイラスト狭心症と心筋梗塞の治療を行ったのち、心臓リハビリテーションにおける一定の運動により、心肺機能を徐々に高め心臓の動きを安定させると、早い心臓機能の回復が期待できます。
城内病院の循環器専門医は心臓リハビリテーション指導士でもあります。
心臓リハビリテーション指導士は、患者様がどれだけの運動をすれば社会復帰できる体力や心臓になるかを評価します。

具体的には、まず心電図、胸部レントゲン、血液検査や心臓エコーなどで患者様の心機能を評価します。
さらに必要があれば、エルゴメーター(エアロバイク)などで運動負荷をかけて、心電図の変化、血圧、心拍数、体のきつさ、酸素飽和濃度、胸部症状や息切れの度合いなどを評価します。

検査において患者様の心機能を評価したうえで、どこまで負荷をかけるか、不整脈はないか、胸が苦しくないかなど、患者様が耐えられる範囲内で危険のない運動法と適正な運動量の処方にて、心臓予備能の早い回復を指導します。

循環器専門医かつ心臓リハビリテーション士のもとでの、患者様の病態にあわせた適切なリハビリテーションは、患者様のより早い社会復帰に有効です。

(関連リンク)
動脈硬化(1)なぜ起きるのか? どのような病気を引き起こすのか?
動脈硬化(2)アテローム硬化のメカニズム
動脈硬化(3)城内病院での検査と診断
動脈硬化(4)城内病院での治療