城内病院はもの忘れ外来を設置しています。
あなたのもの忘れが「老化によるただのもの忘れ」なのか、「認知症によるもの忘れ」なのかを診断して、あなたの認知症タイプに応じた治療をご提供しています。
認知症の場合、認知機能は放っておくとどんどん低下していきます。早期に薬物療法や生活習慣改善で認知機能の低下を防ぐことは、認知症を悪化させないために重要です。
今回は、城内病院もの忘れ外来について紹介します。認知症についても解説します。
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城内病院もの忘れ外来について
城内病院もの忘れ外来は、あなたの「もの忘れ」の原因を以下のように診断します。
- あなたの「もの忘れ」がただの老化によるもの。
- アルツハイマー型認知症などの脳実質の神経細胞の変性によるもの。
- 外傷や動脈硬化、腫瘍など2次的変化での脳への影響によるもの。例えば血管性認知症などの病気によるもの。
- 内分泌代謝異常によるもの。
病気による認知症の場合、それぞれの認知症タイプに応じた適切な治療や生活習慣改善指導を行います。
ご自分やご家族だけでは認知症と判断することは困難です。病院でテストや検査を受けて適切な診断を受けましょう。
認知症の検査と診断
まず、問診において患者様やご家族から、「どのような症状か」「いつ現れるか」などを詳しく伺います。
つぎに、以下のテストや検査を行い総合的に判断します。
- 作業療法士による記憶力やうつ症状のテスト。
- MRI撮影で脳の萎縮を確認。
- 血液検査で甲状腺に問題がないかを確認。
認知症は初期段階では診断がつかないことがあります。その場合は脳の血流状態を評価できるスペクト検査を他の病院に依頼することもあります。
3大認知症とは?
最も多いアルツハイマー型認知症は全体の約63%を占めます。レビー小体型認知症と血管性認知症と並んで3大認知症と呼ばれています。
アルツハイマー型認知症:治療が困難な認知症
アミロイドβやタウなどのタンパク質が脳内に蓄積して神経細胞が減少し、脳の萎縮が緩やかに進行する病気。
記憶障害(もの忘れなど)、見当識障害(時間や場所がわからなくなる)、もの盗られ妄想、徘徊。
レビー小体型認知症:治療が困難な認知症
レビー小体というタンパク質が脳内に蓄積され脳神経が変性する病気。もの忘れと同時に明確な幻覚出現やレム睡眠時の異常行動とパーキンソン病の特徴を併せ持ちます。
記憶障害(人物誤認など)、パーキンソン症状(動作が鈍くなり転びやすい)、幻覚・幻視症状、うつ状態。
血管性認知症:治療が可能な認知症
血管性認知症は全体の約19%を占めています。脳梗塞や脳出血などによって血管障害がおきた場所の周辺の脳神経細胞が壊れると、血管性認知症に繋がる可能性があります。
男性に多く、脳の場所や障害の程度によって症状が異なります。
もの忘れ、まだら認知症(症状がまだらに現れること)、手足の麻痺。
治療が困難な認知症と治療が可能な認知症
認知症は、治療が困難な認知症と治療が可能な認知症に分類できます。
治療が困難な認知症
アルツハイマー型認知症 レビー小体型認知症 前頭葉側頭葉型認知症
治療が可能な認知症
血管性認知症 正常圧水頭症 慢性硬膜下血腫 甲状腺機能低下症
治療が困難な認知症
アルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症は脳の変性や萎縮により、記憶力と判断力の低下や人格の変化が現れる病気です。
原因は正確にはわかっていませんが、脳内に蓄積されたアミロイドβやレビー小体などのタンパク質による脳神経細胞の変性や減少と考えられています。
現在のところ根本的な治療法は発見されていませんが、薬物療法や生活習慣の改善で予防や進行を遅らせることは可能です。
治療が可能な認知症
血管性認知症の治療は、原因となる脳の血管障害を治療することです。
また、高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病を治療することで、予防や進行速度を遅くすることが可能です。
正常圧水頭症(脳室が拡大する病気)や慢性硬膜下血腫(外傷により頭蓋骨と脳の間に血液がたまる病気)は脳外科手術によって治療が可能です。
甲状腺機能低下症は甲状腺ホルモンの補充で改善します。