睡眠時無呼吸症候群(SAS)(1) 危険性とメカニズムでは、睡眠時無呼吸症候群の危険性とメカニズムについて述べました。今回は、あなたが睡眠時無呼吸症候群の可能性があるかチェックしていただくとともに、日常生活での予防法についてみていきましょう。

睡眠時無呼吸症候群になりやすい方

40~60代男性に患者様が多く見られます。しかし、若くても肥満体の方、女性ホルモンのプロゲステロンの減少により呼吸運動を調節する器官への刺激が減るため閉経後の女性も発症しやすいといわれています。
以下の項目にあてはまるか、セルフチェックして下さい。

体型的特徴

  • 肥満体の方。
  • 首が太くて短い。
  • あごが小さい。
  • 歯並びが悪い方。
  • 口を開いて鏡で見ると、扁桃腺・口蓋垂(のどちんこ)が見えない。
  • 扁桃腺肥大の方、もともと気道が小さい方。
  • 高齢になって急激に太った方。特に男性は上半身が太り、首周りに脂肪がつくため。

生活習慣や病気

  • 喫煙習慣がある。
  • 過度に飲酒をすることがよくある、寝酒・深酒が習慣化している。
  • 暴飲暴食をすることがよくあり、急激に太ることがある方。
  • アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎などの鼻の病気により、口呼吸で寝ている方。
  • 睡眠薬を日常的に服用されている方。
  • 高血圧、糖尿病、脂質異常症(高脂血症)などの持病をお持ちの方。

睡眠時無呼吸症候群によくみられる症状

以下は、睡眠時無呼吸症候群によくみられる症状です。当てはまるかセルフチェックして下さい。

寝ているとき

  • いびきがうるさい。高い音のいびきをかく。自分のいびきで目が覚めたことがある。
  • 呼吸が止まる。呼吸が止まっているとご家族や同僚の方に指摘された。
  • 夜中に息が苦しくなって目が覚めた。
  • トイレに行く回数が多い。

朝、起きたとき

  • 起きたときにぐっすり寝た感じがしない。
  • 起きたときに頭が痛い。ズキズキする。
  • 起きたときに息が苦しくハァハァとなる。
  • 起きたとき、口が乾いている。

日中

  • 日中、強い眠気があり、仕事をしていても運転していても眠たくなる。
  • 日中、ぼーとなる。集中力が欠如する。
  • 慢性的に疲れていて、だるさ・倦怠感が続く。

日常的な予防

睡眠時無呼吸症候群にならないために、日常生活においてできることは、なるべく要因を排除することです。つまり、生活習慣病を改善することが、今日からできる予防法です。

  • 気道を狭くする要因である首周り・のどに脂肪を沈着させないために、肥満体の方は体重を減量すること。
  • 喫煙をやめる。
  • 過度な飲酒、寝酒・深酒を控える。
  • 歯並びの悪い方は治療する。 
  • 口呼吸を鼻呼吸に変える。(アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎などの方は耳鼻科的な治療で治すこと) 
  • 睡眠薬飲んでいる方は自己判断での服用をやめ、医師に相談して下さい。 
  • 寝姿勢を横向きにしたり、枕や布団をいびきをかきにくいものに変更すること。

睡眠時無呼吸症候群を疑ったら、すぐに睡眠時無呼吸症候群(SAS)外来へ

あなたは、睡眠時無呼吸症候群になりやすい方、睡眠時無呼吸症候群によくみられる症状の項目に何個当てはまるものがありましたか。複数当てはまるようでしたら、あなたは、重大事故や重篤な病気を引き起こす危険な病気である睡眠時無呼吸症候群の疑いがあります。

とくに、ご家族や同僚の方に「寝ているときに、無呼吸になっている」、「いびきがうるさい、高い音のいびきをかいている」と指摘された経験のある方は、なるべく早く、城内病院の睡眠時無呼吸症候群(SAS)外来で、医師とともに検査・治療を行ないましょう。

(関連リンク)
睡眠時無呼吸症候群(SAS)外来
睡眠時無呼吸症候群(SAS)(3) 城内病院での検査・治療