フリーラジカル・活性酸素は老化を促進するだけでなく、がん、糖尿病や脂質異常症、動脈硬化などの生活習慣病の原因になることは、“老化を促進する「からだの酸化」とは?”で解説しました。

本記事では、老化を促進させるフリーラジカル・活性酸素によるからだの酸化を抑制する抗酸化と2つの対策について紹介します。

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抗酸化とは?

私たちのからだは、体内で絶えず生成されるフリーラジカル・活性酸素を無毒化する仕組みを持っています。抗酸化です。
抗酸化とは体内の抗酸化物質によりフリーラジカル・活性酸素を分解して無毒化することでからだを守る仕組みです。

食物から摂取できる抗酸化物質とは?

抗酸化物質とはフリーラジカル・活性酸素を取り除き、酸化の働きを抑える物質のこと。 体内でも酵素などの抗酸化物質は生成されますが、抗酸化物質はフィトケミカルやビタミンを多く含む野菜や果物などの食物からも摂取できます。

食物から摂取できる代表的な抗酸化物質として、フィトケミカル、ビタミン(ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE)、ミネラル(亜鉛、セレン)などがあります。

フィトケミカルとは、野菜、果物、豆類、お茶などの色素・香り・辛味に多く含まれる栄養素の総称です。
フィトケミカルに含まれる抗酸化物質にはポリフェノール、カロテノイド、イソフラボン、カテキン、セサミン、リコピン、ペクチンがあります。

城内病院でからだの酸化度を検査できますか?

問診での視診や生活習慣を丁寧にお聞きすることで、患者様が老化しやすい体質かどうかを大まかには判断できます。
さらに、動脈硬化については血管年齢検査、がんなどの病気についてはCTやMRIで検査できます。

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抗酸化力を強める2つのアンチエイジング対策

からだの酸化を防ぐ抗酸化力を強めるには2つのアンチエイジング対策があります。

  • 抗酸化物質を食事で摂取する。
  • 生活習慣を改善して酸化を促進する外部要因を排除・除去する。

抗酸化物質を食事で摂取してアンチエイジング

抗酸化物質は体内でも生成されますが、その生成能力は加齢と共に低下します。
ですから、からだの酸化を抑制する抗酸化物質を食事で摂取することは、老化予防に有効です。

緑黄色野菜などの色の濃い野菜や果物には抗酸化物質が多く含まれています。

ポリフェノール:体内で強い抗酸化力を持つ代表的な抗酸化物質

  • アントシアニン:ブルーベリー アサイー ブドウ 赤ワイン
  • イソフラボン:大豆
  • カテキン:緑茶
  • セサミン:ゴマ
  • テアフラビン:紅茶
  • イチゴやブルーベリーなどフルーツのイラスト

カロテノイド:緑黄色野菜に多く含まれる抗酸化物質

  • βカロテン:ニンジン カボチャ
  • リコピン:トマト
  • ルテイン:ブロッコリー ホウレンソウ
  • アスタキサンチン:エビやカニなどの甲殻類やサケなどの魚類

ビタミンA

ビタミンAとは、レチノール、レチナール、レチノイン酸の総称。
緑黄色野菜に多く含まれる抗酸化作用の強いβ-カロテンは体内に摂取されると必要に応じてビタミンAに変わります。
生では体内に吸収されにくいβ-カロテンは、油と一緒に摂ると効率的です。

ビタミンC

緑黄色野菜や果物などに多く含まれるビタミンCは抗酸化作用が非常に強く、フリーラジカル・活性酸素によるダメージを軽減します。
ビタミンCは吸収しきれないと尿から排泄されます。一度に大量に摂取するのでなく毎日継続的に摂取することが必要です。
トマト・なす・きゅうりのイラスト

ビタミンE

ビタミンEは、緑黄色野菜、ナッツ類(アーモンドやピーナッツなど)、植物油(紅花油、胚芽油など)、ごま、大豆、ウナギなどの魚介類に多く含まれています。
強い抗酸化作用があるビタミンEの細胞膜の機能を正常に保つ効果や血管を健康に保つ効果は老化防止に有効です。

ミネラル:抗酸化酵素の生成や活性に関わる抗酸化物質

  • セレン:いわし丸干し、しらす干しなどに含まれる。
  • 亜鉛:牡蠣、牛肉、豚肉、うなぎなどに含まれる。

からだの酸化を促進する外部要因を生活習慣改善で除去する

紫外線、食事の内容、ストレス、タバコ、排気ガス、過剰なアルコール摂取、過激な運動、低質な睡眠などはフリーラジカル・活性酸素を増やす外部環境要因です。
これらの外部要因はからだを酸化させて老化を促進させる原因。生活習慣を改善することで外部要因をなるべく除去することが重要です。

フリーラジカル・活性酸素が増える外部要因については、“老化を促進する「からだの酸化」とは?”をご参照ください。