変形性膝関節症は、軟骨がすり減り、あるいは、なくなって膝の形が変形し、痛みや炎症を起こす病気です。治療方法には、保存的療法と手術療法があります。そのどちらにもリハビリは不可欠です。
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変形性膝関節症の痛みの症状・程度に合わせたリハビリ
変形性膝関節症のリハビリを、痛みの症状・程度に応じて「急性期」「亜急性期」「慢性期」と区別します。各段階では、それぞれ異なったリハビリを行ないます。
急性期:安静にしているときにも膝が痛い時期
急性期とは、膝関節周囲に熱感、皮膚が赤くなる発赤や患部の腫れなどが出現し、安静時、体動時、歩行時などすべての動作において痛みが出現する時期。
リハビリでは、膝関節周囲を積極的にアプローチするのではなく、股関節(骨盤帯)・足関節など膝関節以外からアプローチします。
変形性膝関節症 急性期のリハビリについてにて、写真付きで詳しく急性期のリハビリ・運動を紹介しています。
亜急性期:膝を動かしているときに痛い、歩行時に痛い時期
亜急性期とは、発赤や熱感、腫れの症状は落ち着いているが、体動時、歩行時などの動作において痛みが出現する時期。
亜急性期のリハビリでは、痛みや腫れの程度に応じて、膝の曲げ伸ばしの運動(可動域訓練)や、膝を支える筋力の運動(筋力訓練)を行います。同時に、痛みにより生じた代償による姿勢の変化を正しく調整します。
変形性膝関節症 亜急性期のリハビリについてにて、写真付きで詳しく亜急性期のリハビリ・運動を紹介しています。
慢性期:歩き始めの1歩目が痛い時期
慢性期とは、日常生活において、立ち上がりや歩行時の歩き始めに痛みが出現する時期。慢性期のリハビリでは、積極的に関節可動域訓練や筋力訓練などを行い、痛みの軽減だけではなく全身の姿勢調整も行います。
変形性膝関節症 慢性期のリハビリについてにて、写真付きで詳しく慢性期のリハビリ・運動を紹介しています。
変形性膝関節症で注意すべき日常生活動作
日常生活において注意すべきことは、膝に負担がかからないようにすることです。床や畳の上に座ることや正座などは膝関節自体に負担をかけてしまい、痛みの誘発に繋がります。椅子や洋式トイレなどを取り入れて、生活を洋風に変えましょう。
家事のときに注意すること
- 畳やフローリングを拭く場合は、柄の長いほうきやモップを使いましょう。
- 洗濯ものを干す際は、両足に体重をかけバランスをとりましょう。片足に重心をかけすぎると風などでバランスを崩す場合があるためです。
- スーパーなど買い物に行った際はショッピングカートを使い、膝関節への負担を軽減しましょう。
入浴のときに注意すること
- ズボンや靴下などを脱ぐ際は、椅子などに腰掛けてから脱ぎましょう。
履く際は、痛い方の足から入れてください。脱ぐ際は、その逆です。順番を間違えないように気をつけてください。 - 湯船に入る際は、痛みのない足から先に入れてください。痛い方の足は感覚が鈍くなっているため、浴槽の中で滑る危険があります。
トイレのときに注意すること
基本的に洋式トイレを使用されることをお勧めします。和式トイレでのしゃがむ姿勢は、膝関節に負担をかけるためです。
変形性膝関節症:自宅での運動方法
病院でのリハビリ以外に、自宅での運動も重要となります。自宅で運動を継続することで、より一層機能を改善させる事が可能となります。回復の程度に合わせた運動をすることが大切です。
痛みなどの症状、変形の程度や筋力などには個人差があります。できる運動から少しずつ行うようにしましょう。筋力はすぐにつくものではないので、根気よくリハビリを継続することが大切です。