関節リウマチは、関節が炎症を起こし軟骨や骨が破壊され関節の機能が損なわれ、放置しておくと関節が変形してしまう病気です。関節は腫脹し激しい痛みを伴います。

今回は40代女性を例にあげて、関節リウマチのリハビリテーションを具体的に紹介します。

関節リウマチについて

患者様 松本順子さん(仮名)のデータ

女性のイラスト 名前:松本順子(仮名) 40代女性
職業:専業主婦
体型:痩せ型
退院後の希望:痛みが強くならないで欲しいとのこと。

40代女性の関節リウマチのリハビリテーションについて

松本さんは自宅での生活で手のこわばりやむくみがあり外来受診されました。
通院で薬物療法を行っていたが生活が難しくなったため、入院しての薬物療法と併用してリハビリテーション開始。

痛みや動きが悪くならないように関節可動域訓練や筋力トレーニングを行いました。同時に温熱療法や寒冷療法を行い、徐々に痛みは軽減しました。

関節リウマチの関節可動域訓練

関節可動域訓練は、入浴後や温熱療法後などに行います。痛みが強い場合には無理に曲げたり伸ばしたりせず、出来る範囲で訓練します。
炎症が再燃しないように注意する必要があります。

関節リウマチの筋力トレーニング

筋力トレーニングは、手指や腕の筋力訓練はゴムボールなどを用いて行います。
軟骨の栄養改善、骨新生の促進、筋力の増強を目的として運動をおこないますが、激しい運動は関節炎の症状を悪化させるため注意が必要です。

関節リウマチの温熱療法や寒冷療法

温熱療法の効果は痛みの緩和や血流の改善などに効果があります。
寒冷療法の効果は消炎、鎮痛、血流改善などに効果があります。

退院後の生活について

現在は退院し自分で運動を行いながら笑顔で生活されている松本さんに、関節リウマチをケアしていただくために以下のことをお伝えしました。

  • 関節リウマチを理解してもらい、しっかり服薬してもらうこと。
  • 運動を行ってもらうこと。
  • 関節を保護してもらうこと。
  • 栄養管理をしてもらうこと。

退院後の日常生活動作指導

退院後も関節リウマチが悪化しないように日常生活において注意を払う必要があります。

  • 家事動作では両手を使うこと。
  • 物はなるべく持ち上げずに、滑らせて運ぶこと。
  • 小さな関節より大きな関節を使うこと。
  • 椅子に座って作業すること。

今後痛みが強くなると自助具の検討も必要

今後痛みが強くなると、自助箸、ボタンエイド、ハンドル式レバーなどの自助具の検討も必要となります。
自助具は、リウマチによる機能障害が進行して日常生活動作が不自由になった時、動作や作業を助けるために工夫された道具です。

関節破壊の進行チャート図
自助箸