膝の特発性骨壊死ついて”では、原因が完全には解明されていないことや症状について説明しました。
今回は、城内病院整形外科での膝の特発性骨壊死における問診・検査と治療について説明します。

城内病院での膝の特発性骨壊死の問診・検査

まず、いつ頃痛み始めたか、どのような動作で痛むか、痛みの程度、これまでのケガの経験などを患者様にお聞きします。
同時に、触診を行ない、痛む部分、膝の関節の曲げ伸ばし具合、腫れや熱感、歩く様子などを確認します。

つぎに、X線(レントゲン)とMRI(磁気共鳴画像)で患部を撮影して、関節の隙間の開き具合や半月板の状態、壊死した部位を確認します。
骨壊死が確認される多くの場合は、大腿骨と脛骨の顆部(かぶ:先端部)の内側の一部に陥没が認められます。

特発性骨壊死イラスト2

城内病院での膝の特発性骨壊死の治療

検査の結果、壊死部が小さければ手術を行わない保存的療法を行ないます。
しかし、壊死部がすでに広範囲である場合や保存的療法では治らなかった場合は、骨切り術や人工膝関節置換術が適応となります。

膝の特発性骨壊死の保存的療法

症状が軽度の場合、すぐに手術をすることはあまりなく、しばらく通院しながら保存的療法を行って様子を見ます。 保存的療法だけで治る患者様も多くいらっしゃいます。
保存的療法の目的は、膝の痛みを軽減して、日常生活での支障を取り除くことです。

膝の特発性骨壊死の保存的療法は、変形性膝関節症とほぼ同じもので、日常生活の改善指導、薬物療法、リハビリ、装具療法などです。

変形性膝関節症 城内病院の検査と治療

膝の特発性骨壊死の手術療法

壊死部がすでに広範囲である場合や保存的療法で治らなかった場合は、手術療法を行ないます。
城内病院では、骨切り術(高位脛骨骨切り術)のオープンウエッジ法(Open wedge osteotomy)、あるいは人工膝関節置換術で施術します。
入院期間は約2ヶ月。体重をかけることが可能になるのが2~3週間後、全体重をかけることが可能になるのは約1ヶ月後です。

骨切り術(高位脛骨骨切り術)のオープンウエッジ法:膝の顆部の内側か外側、どちらか一方が正常な患者様。自分の膝を温存させる必要がある若い方や行動的な方。
脛骨を切って角度を変えることで、患部への負荷を正常な顆部に移動させます。患部への負担を軽減することで、半年~1年後には壊死が治っていることがあります。

人工膝関節置換術:膝の顆部全体に壊死が広がっている方には、人工膝関節置換術を勧めます。
壊死した部分を金属などでできた人工の部品で置き換える手術です。術後の痛みが少ないことが特徴です。
しかし、自分の膝はなくなり、細菌感染にきわめて弱いことが問題です。また、人工関節がすり減ったり、弛んだりすると入れ替えが必要となります。

骨切り術(高位脛骨骨切り術)のオープンウエッジ法と人工膝関節置換術については、”変形性膝関節症(3)城内病院での手術療法”で詳しく解説しています。

高位脛骨骨切り術と人工関節置換術の術前・術後レントゲン

なるべく早く、整形外科を訪れて適切な検査と治療を受けましょう

城内病院整形外科では、経験豊富な医師が、患者様の年齢、体力・行動力、生活スタイル、趣味・仕事などを考慮して総合的に治療方法を判断します。手術においては、技術を備えた医師により、患者様の侵襲(体へのダメージ)をより少なくすることができます。

なるべく早く、整形外科を訪れて適切な検査と治療を受ければ、手術することなく保存的療法で治すことも可能です。