骨粗しょう症を自覚している、自覚していないにかかわらず、高齢者にとって、転倒して骨折することが一番怖いことです。なぜなら、高齢者の骨折は寝たきりになり、要介護状態になることがあるためです。つまり、転倒して寝たきりになることは、あなたの「健康寿命」を縮めることになります。
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”骨の生活習慣病” 骨粗しょう症 ~高齢者にとって危険な病気の理由~
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高齢者の骨脆弱性骨折骨折について
一度骨折すると、次々と骨折する危険性が高くなります
骨粗しょう症は、骨がスカスカになって脆くなる病気です。軽い衝撃でも骨折することを「脆弱性骨折」といいます。「脆弱性骨折」の怖いところは、1度骨折すると次々と骨折しやすくなることです。次々と骨折すると、寝たきりになるリスクがより高まります。
特に、閉経後女性の大腿骨近位部(股の付根)骨折は、すでに脆弱性骨折を経験している方が50%を占めます。
転倒予防のために心がかること
高齢者は身体機能が低下しています。年齢とともに歩くときに足が上がらなくなり、ちょっとした段差につまずいて転んでしまいます。外出時には、安全性が高い服装をすることを心がけ、杖などを利用して転倒を予防しましょう。
慣れていると思っている家の中でも転倒するケースは、多くあります。じゅうたんのへりや電源コードに引っかかり転ける、濡れた浴室で滑って転んでしまうことなどがあります。家庭において整理整頓を心がけ、さらに住環境を整備し、転倒しないように生活を工夫しましょう。
ロコモを見過ごさず、あなたの「健康寿命」をのばしましょう
最近、テレビなどのメディアで、ロコモティブシンドローム(運動器症候群、通称ロコモ)という言葉をよく耳にします。ロコモとは、骨、関節、筋肉などの運動器の機能が低下して、要介護になるリスクが高まることです。骨粗しょう症やその合併症は、ロコモにつながる大きな要因です。
老化現象で運動器の機能が低下することは避けられません。しかし、平均寿命が伸びた現代において、高齢者が、あなたらしく、いきいきと日々を暮らすためには、ロコモを見過ごす訳にはいきません。
骨粗しょう症やその合併症によるロコモにおいて、転倒して骨折することが一番怖いことです。だから、骨粗しょう症を見逃さない。転倒して骨折しない。骨折して寝たきりにならない。あなたの「健康寿命」をのばすために、以下のことを心がけましょう。
- 定期的に検査を受けること。(50才以上の女性は、1年に1回程度)
- 治療中の患者様は、自己判断で治療を中断しないこと。(半年に1回程度の検査も必要)
- バランスの良い食事を心がけること。カルシウムの摂取が重要。
- 適度な運動を継続的に行うことが大切。
- 転倒しないように心がけて日常生活を送ること。