扁平足とは土踏まずがなくなった、つまり足裏の縦と横のアーチが低下した状態のこと。
扁平足は発症する年齢によって、幼児期扁平足、思春期扁平足、成人期扁平足に分けられます。

城内病院では高齢の患者様が多いため、後脛骨筋腱の変性や断裂が原因で中年以降に発症し腫れや痛みが生じる成人期扁平足を紹介します。

足裏のアーチ構造とは?

足裏のアーチ構造はサスペンションのような働きをしています。全身の体重によりかかる衝撃・負荷をアーチで吸収し振動を抑えることで、姿勢のバランスを取っています。

内側の縦のアーチ(親指側~かかと)、外側の縦のアーチ(小指側~かかと)、指の付け根にある横のアーチ(親指の付け根~小指の付け根)、この3つのアーチで構成されています。

このアーチ構造は、足関節の内くるぶし(内果)の下を走る後脛骨筋腱により吊り上げられています。

足裏のアーチ構造のイラスト

成人期扁平足の原因

成人期扁平足の原因は、内くるぶしの下を走る後脛骨筋腱の変性や断裂により筋力が弱まり、アーチを維持できなくなり低下するためです。
中高年の女性や太り過ぎの方に多く見られます。

成人期扁平足になる後脛骨筋腱の変性や断裂のおもな原因

  • 加齢による腱のゆるみ。
  • 急激な体重増加、太り過ぎ。
  • 長時間の立ち仕事や歩行。

また、後脛骨筋腱は内くるぶしの下で方向を変えています。そのため負荷を受けやすく血流障害がおきやすいことも腱が変性や断裂しやすい要因です。

成人期扁平足の症状は腫れと痛み

成人期扁平足の症状は腫れや痛みです。
多くの場合で内くるぶし付近が腫れて痛みますが、損傷程度や部位によって腫れる場所や痛みの程度は変わります。

症状初期には足裏の扁平化は目立ちませんが、つま先立ちや歩行でさらに悪化すると扁平化が進行します。
足裏や外くるぶしも痛むようになり、足関節の柔軟性がなくなり歩きにくくなります。

成人期扁平足の主な痛みと部位

成人期扁平足の診断と検査

問診にて痛む場所や程度をお聞きしたうえで、足裏の扁平化と内くるぶし付近の腫れや痛みを確認します。
また後ろから足を見ると、足のアーチが落ちて扁平化しているため、かかとが外を向いて足指が何本か見えます。

体重をかけてレントゲン撮影を行い、足関節の角度から重症度を評価します。
後脛骨筋腱断裂を疑えばMRIを撮ることもあります。

軽度・中等症・重症成人期扁平足の3種のレントゲン

成人期扁平足の治療について

成人期扁平足の治療は基本的に保存的療法です。ほとんどの場合、保存的療法で改善します。とくにアーチサポート(足底挿板)を使った装具療法と足指を筋力強化する理学療法が有効です。
後脛骨筋腱が断裂して重症のケースでは腱移行手術を行うこともありますが、まれです。

にアーチサポート(足底挿板)の写真
アーチサポート
  • 減量:太り過ぎの方は減量が必要。
  • 装具:アーチサポートを使用してアーチを上げることで痛みが緩和される。
  • 薬物:消炎目的で鎮痛剤の服用や湿布を使用。
  • 理学療法:アーチを支えるための足指の筋力強化。代償機能が働くようにアキレス腱のストレッチを行う。

画像出典:一般社団法人日本足の外科学会 「足の疾患ガイドシリーズ:成人期扁平足」
掲載画像は一般社団法人日本足の外科学会様より転載を許可されたものです。