DASH食とはDietary Approaches to Stop Hypertension(高血圧を防ぐ食事療法)の略語です。
高血圧の食事療法としてアメリカで研究され、近年日本でも注目されています。
このDASH食の特徴は、特定の栄養素やその比率にこだわらずに食品の組み合わせを改善することで、血圧をコントロールできることです。
つまり、体に良い食品をより増やし、よくない食品を減らす食事療法です。
ただし、この食事療法の対象者は合併症のない方です。
担当医に相談して、その指示を守り食事療法に取り組みましょう。
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DASH食で増やす栄養素はどんなものがあるの?
DASH食で増やす栄養素はカリウム、カルシウム、マグネシウム、食物繊維、たんぱく質です。
食品でいえば、野菜、果物、低脂肪の乳製品、大豆食品、海藻、ナッツ類を多く食べ、油の多い肉、レバー、高脂肪牛乳などは減らしましょう。
カリウムはナトリウムの排泄を促し血圧を低下させます
カリウムは体内のナトリウムを尿と一緒に排泄させ、血圧を下げる働きがあります。カリウムは、生の野菜や果物に多く含まれていますが、茹でたり水にさらしたりすると溶けやすい性質があるため、調理には気を付けましょう。
ポイント
揚げる調理や焼く調理は、カリウムの消失をある程度防ぐことができる。
おすすめの食品
アボカド、ひじき、イモ類、海藻類など
カルシウムは他の栄養素と協力して血圧を下げてくれます
カルシウムだけでの働きというよりも、カリウムやマグネシウム、食物繊維と一緒に摂取することで血圧が下がると考えられています。
おすすめの食品
牛乳、ししゃも、桜エビ、小松菜など
マグネシウムはカルシウムと協力して血圧を調整します
マグネシウムと聞いてもいまひとつピンと来ないかもしれませんが、筋肉や神経の働きを調節し、骨の形成にも重要な役割を果たします。
マグネシウムとカルシウムの摂取量が1:2ほどに保たれると、血圧調節がスムーズになると考えられています。必要以上の血管収縮を抑えたり、血管の拡張を促します。
おすすめ食品
アーモンド、カシューナッツ、大豆、ごま、海藻類など
食物繊維は血圧調整だけでなく血糖値の改善にも役立ちます
食物繊維は生活習慣病の予防・改善に役立つと注目されていますが、血圧調節にも一役買っています。
食物繊維が腸内の過剰なナトリウムの排泄を促し、血圧が高くなるのを防ぎます。
ポイント
食物繊維には「水溶性」と「不溶性」がある。「水溶性」はナトリウムや糖質、脂質の排泄を促す。「不溶性」は便秘に効果あり。
おすすめの食品
オクラ、山芋、海藻類、こんにゃく、りんごなど
たんぱく質は血管を健康に保つためには欠かせない栄養素
体を作るたんぱく質は血管の老化を防ぐ栄養素。不足すると血管は弾力性が失われて脆くなります。
良質なたんぱく源でもあるお肉は脂身を避け、脂質の少ない赤身などを選ぶのがいいでしょう。
おすすめ食品
鶏ささみ、納豆、イカ、牛乳など
DASH食で減らす栄養素はどんなものがあるの?
DASH食で減らす栄養素は飽和脂肪酸とコレステロールです。
具体的な食品は脂身のお肉、レバー、高脂肪牛乳、バターなどです。マヨネーズも油分が豊富に含まれているので、サラダなどにかける際には注意しましょう。
簡単にできるDASH食メニューを紹介します
アボカドとチーズのワサビ醤油和え(2人分)
- アボカド 1個
- きゅうり 1/2本
- モッツァレラチーズ 40g
ワサビ醤油
- わさび(チューブ) 小さじ1杯
- 濃口しょうゆ 大さじ1杯
- きゅうりは頭とお尻を切り落とし、麺棒などで軽く叩く。
食べやすい大きさに乱切りする。 - アボカドはひと口サイズに切る。
- きゅうり、アボカド、モッツァレラチーズをワサビ醤油であえる。
オクラと山芋のネバネバ和え(2人分)
- オクラ 5本
- 山芋 20g
- ごま 2g
- 砂糖 2g
- 濃口醤油 6g
- オクラは湯がき、頭と先を切り落とし、8mm程度の小口切りにする。
- 山芋は1cm角に切る。
- 1と2を、ごま、砂糖、濃口醤油で和える