急性腰痛症とは、いわゆる“ぎっくり腰”のこと。
急に重いものを持ち上げた時やからだを強くひねった時に、腰が「ギクッ」「ズキッ」と強烈に痛みます。

腰に急激な負荷がかかることで、腰周囲の筋肉が損傷したり関節に炎症が起こることが原因です。

本記事は、城内病院リハビリテーション部の理学療法士が急性腰痛症の対処法、リハビリや予防法について紹介します。

急性腰痛症=いわゆる”ぎっくり腰”

急性腰痛症になる恐れがある動作とは?

発症契機にはさまざまなケースがあります。とくに、体を曲げたまま動作を行うときや体をひねるような動作を行うときに発症するケースが多いと推察されます。

  • 重いものを持ち上げる。
  • 咳やくしゃみをしたとき。
  • ベッドや布団から体を起こそうとしたとき。
  • 顔を洗うとき。
  • 椅子に腰かけて後ろや横の物を取ろうとしたとき。
  • ゴルフ、野球の素振りをしたとき。

急性腰痛症 激しい痛みがあるときの対処法

急性腰痛症発症直後の症状や痛みの程度により対応は異なりますが、基本的には安静を保つことが大切です。

可能であれば、なるべく早く病院で検査や診断を受け、適切な治療を受けることをお勧めします。その理由は、なるべく早期に適切な治療を受けると治癒が早くなり、仕事や日常生活に早く戻れるからです。

  • 2~3日は安静にし、病院へ行くようにする。
  • 横向きに寝る。
  • 痛みが強い間は運転やマッサージは避けましょう。

急性腰痛症 痛みが落ち着いてから行うリハビリ

発症後2~3日安静にしていると痛みは和らぎ、約半数は1週間ほどで治り、90%は6週間以内に治ります。
痛みがそれほどでなければ、腰に負荷をかけないように注意して筋力訓練やストレッチを行いましょう。
水中ウォーキングやスローピング運動(坂道や階段を昇り降りする運動)も有効です。

急性腰痛症の筋力訓練

急性腰痛症の筋力訓練は、周囲筋を強化することで腰部を安定させて、立つ動作や歩く動作をスムーズすることが目的です。

腹筋のインナーマッスル強化トレの写真
腹筋のインナーマッスル強化トレ
お尻の筋肉の筋トレの写真
お尻の筋肉の筋トレ

急性腰痛症のストレッチ

急性腰痛症のストレッチの目的は、周囲筋を引き伸ばすことで緊張緩和し柔軟性を増すことです。 筋肉が動くことで血液循環が良くなり、自律神経が刺激されることによりリラックス効果が期待できます。

ストレッチ時の注意点は、無理をしない、息を止めない、重度の傷害や疾患がある時は行わないことです。あせらず継続して行いましょう。

腰丸め体操の写真
腰丸め体操
腰ねじりストレッの写真
腰ねじりストレッチ
お尻の筋肉のストレッチの写真
お尻の筋肉のストレッチ
太ももの筋肉のストレッチの写真
太ももの筋肉のストレッチ
太もも裏の筋肉のストレッチの写真
太もも裏の筋肉のストレッチ

急性腰痛症の予防法とは?

急性腰痛症は、日常生活動作に注意を払うことで予防が可能です。

  • 朝起きたあとにストレッチを行う。
  • 顔を洗うときは椅子に座る、または膝を少し曲げて行う。
  • 床から物を拾うときや持ち上げるときは必ず膝を曲げる。
  • 靴はクッション性のあるものを履く。
  • 椅子に座る時は深く腰掛ける。
  • 長時間、椅子に座るのを避ける。
  • 急に背伸びをしない。
  • 腰をひねらない。