亜急性期とは、皮膚が赤くなる発赤、熱感や腫れの症状は落ち着いているが、体動時、歩行時などの動作において痛みが出現する時期。
亜急性期のリハビリでは、痛みや腫れの程度に応じて、膝の曲げ伸ばしの運動(可動域訓練)や、膝を支える筋力の運動(筋力訓練)を行います。同時に、痛みにより生じた代償による姿勢の変化を正しく調整します。

今回紹介する筋力訓練と自主訓練を自宅でのリハビリで行うことで、より一層、機能改善の効果が期待できます。ぜひお試しください。

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亜急性期のリラクゼーション(マッサージ)

マッサージによって股関節・膝関節・足関節の筋肉を緩和します。以下の3つの筋肉を中心にマッサージします。

  • 臀部(お尻)
  • 股関節(太もも)から膝関節までの外側。
  • 膝関節から足部(外くるぶし)までの外側。

亜急性期の関節可動域訓練

股関節・膝関節・足関節の関節可動域訓練。腫れや発赤がある場合は愛護的に行い、膝関節の変形を助長しないように関節を動かして可動域を広げます。

亜急性期の筋力訓練・自主訓練

痛みなどの症状、変形の程度や筋力などには個人差があります。できる運動から少しずつ行うようにしましょう。筋力はすぐにつくものではないので、根気よくリハビリを継続することが大切です。

椅子に座って膝を伸ばす運動

効果:膝関節周囲の筋力向上。立ち上がりや歩く際の膝折れなどの防止効果。
回数:1セット15~20回、1日3セットを目標に。
注意点:ゆっくり5秒かけて伸ばし、伸ばした状態で3秒キープ。その後、ゆっくり5秒かけて下ろす。痛みが和らげば、足に重りをつけ負荷量を上げる。

亜急性期のリハビリ 椅子に座って膝を伸ばす運動の方法1
1.スタートポジション
亜急性期のリハビリ 椅子に座って膝を伸ばす運動の方法2
2.膝を伸ばした状態

寝たまま膝を90度曲げて、片方ずつ交互に膝を伸ばす運動

効果:膝関節周囲の筋力向上。立ち上がりや歩く際の膝折れなどの防止効果。
回数:1セット15~20回、1日3セットを目標に。
注意点:ゆっくり5秒かけて伸ばし、伸ばした状態で3秒キープ。その後、ゆっくり5秒かけて戻す。

亜急性期のリハビリ 寝たまま膝を90度曲げて、片方ずつ交互に膝を伸ばす運動の方法1
1.スタートポジション
亜急性期のリハビリ 寝たまま膝を90度曲げて、片方ずつ交互に膝を伸ばす運動の方法2
2.膝を伸ばした状態

タオルギャザー:前方もしくは側方からタオルを引く訓練

効果:足関節の筋力強化。立ち上がりや片足で立った際のバランス能力向上。
回数:1セット10回、1日3セットを目標に。
注意点:膝関節の運動になってしまわないように、しっかり踵(かかと)を床につけておくこと。痛みが和らげば、 タオルの上に重りなどを置き負荷をかけます。

タオルギャザー:前方の運動

亜急性期のリハビリ タオルギャザー前方運動の方法1
1.スタートポジション
亜急性期のリハビリ タオルギャザー前方運動の方法2
2.前方から引き寄せる運動

タオルギャザー:側方の運動

亜急性期のリハビリ タオルギャザー側方運動の方法1
1.スタートポジション
亜急性期のリハビリ タオルギャザー側方運動の方法2
2.前方から引き寄せる運動

仰向けで寝た状態で両膝を立てお尻上げ運動

効果:臀部(お尻)の筋力向上。痛い足に負荷がかかった時に、体幹や骨盤が逃げないようにするため。
回数:1セット10~15回、1日3セットを目標に。
注意点:呼吸を止めないように。お腹周りに力を入れすぎないようにして、自然に行いましょう。

亜急性期のリハビリ 仰向けで寝た状態で両膝を立てお尻上げ運動の方法1
1.スタートポジション
亜急性期のリハビリ 仰向けで寝た状態で両膝を立てお尻上げ運動の方法2
2.お尻を上げた状態

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