城内病院リハビリテーション部に新入社員を迎えて、半年ほどが経ちました。 本記事は、理学療法士と作業療法士それぞれ1名ずつが、入社して半年までのこと、不安や悩み、先輩への感謝、抱負を手記に綴りました。

理学療法士や作業療法士を目指す専門学校生や高校生の参考になれば幸いです。

理学療法士 池田のぞみ(仮名)の場合

手を伸ばすリハビリのイラスト 入社前は期待もありましたが不安のほうが大きく、「病院に馴染めるのか、理学療法士としてしっかりやっていけるのか」など、さまざまな不安がありました。 そしていざ入社し、理学療法士として患者様にリハビリテーションを行っていくと、悩みも多くなりました。

入社当時のコミュニケーションの悩み

入社したばかりのころは、緊張で患者様となかなか会話が続かず、コミュニケーションを上手にとることができませんでした。  また、自分の思うように治療が進まないことに焦り、「自分のやり方は本当にこれでよかったのか」「自分のやり方が間違っているのでは」と、毎日のように悩み落ち込みました。

先輩方より、「患者様の疾患ではなく、患者様本人と向き合う」ということや、「視野を広げて考えてみて」とアドバイスを受けたことで、患者様との向き合い方や考え方が変わっていきました。 また、同期にも相談に乗ってもらうと、気持ちが少し楽になりました。

移乗補助時に先輩から頂いたアドバイス

私は少し小柄なため患者様との体格差が大きいことが多々あります。 そのため、「患者様を転倒させてしまったらどうしよう」という恐怖感があり、ひとりではどうしても移乗させることが困難で、しばしば先輩方に手伝って頂くことがありました。

先輩方に昼休みなどの業務時間外の時間を使って、「どうすれば患者様や自分自身にも負担がかからないか」「安全に行えるか」を実際の動作で教えて頂きました。 そして、「一人ひとり体格差も違うから、自分なりの移乗の仕方も考えてみるといいよ」とアドバイスをくださいました。

ご指導のおかげでまだまだぎこちなくはありますが、ひとりで患者様を移乗させることができるようになりました。 このようにして入社当時は不安だらけだった毎日でしたが、少しずつ仕事に対する自信がついてきました。

患者様との接し方の大切さ

理学療法士として働くようになり治療を行っていくなかで、患者様との接し方も改めて大切だと感じることがありました。

たとえば、担当患者様にリハビリテーションを行っている際、「はじめのころは厳しい先生なのかなーと思ってあまりお話しできなかった、少し話しかけづらかった」と言われたことがありました。

言葉遣いや話す際の表情、話の聞き方などコミュニケーションの取り方ひとつで、患者様との距離が縮まり信頼関係が築けると感じました。 それ以来、患者様とコミュニケーションをとる際は、笑顔で接すること、患者様のお話によく耳を傾けるように心がけています。

日々努力を重ね、患者様にベストを尽くしたい

4月に入社し9月で半年が経ちました。現在も患者様に治療を行ううえで悩むことはたくさんありますが、先輩方や同期に悩みを相談するとアドバイスして頂けます。 また、先輩方には、教科書には載っていない技術面に関してのご指導を頂くことや実際の患者様のリハビリを一緒に行って指導して頂くことも多いです。

まだまだ知識も経験も浅いため今後も先輩方、同期、他職種の方と連携を図り、患者様にベストを尽くすことで、1人でも多くの患者様のお役に立てるよう日々努力していきたいと思います。

作業療法士 鈴木理華(仮名)の場合

ふきんを使ったリハビリのイラスト 私は入社前、きちんと仕事をこなすことができるか、一緒に仕事をするリハビリの先輩方や他職種のスタッフと上手くやっていけるか不安に思っていました。

入社前の不安 実習と実際の現場の違い

専門学校時代の病院実習では、1人の患者様を指導者と共に担当し、患者様の病態評価やリハビリ計画立案に長い期間をかけることができました。

病院実習では、何度も何度も指導者のアドバイスを受けて訂正されながら進めることができます。 しかし、入社後は多くの患者様を指導者なしに担当することになるため、知識や技術が少ない私はやっていくことができるかとても不安でした。

入社前の不安 情報共有が他の職員とうまくできるか?

また、実習において指導者の方が他のリハビリスタッフ、医師、看護師、介護士、社会福祉士などのスタッフと連携されている場面を見る機会が多くあり、1人の患者様を様々な視点からみていくためには、他職種のスタッフとの情報共有が大切だと感じました。

私は自分の考えを整理して他者に伝えることが苦手なので、大切な情報共有を一緒に仕事をする先輩方やスタッフの方とうまくできるか不安でした。

入社後、先輩からたくさんのアドバイスを頂きました

4月に入社した後、新人スタッフの指導者は、業務内容の説明や患者様との接し方について優しく指導して下さいました。 知識や技術で困ったときは一度自分で調べ、それでも分からない際は先輩方に業務後や休み時間に相談にのって頂いています。

また、リハビリ室でリハビリを施術している際には、先輩方は私を気にかけてその場やリハビリ後に指導して下さいます。

たとえば、肩の挙がらない患者様を担当した際に、患者様の肩の動かし方や訓練を自分なりに行ってみましたが、患者様に変化があまり見られないために悩んでいました。 その時、先輩が具体的なアドバイスを下さり、訓練にそのアドバイスを取り入れると、患者様の症状が良化しました。

少しずつですが知識と技術、経験を増やして、先輩方のようなリハビリの先生になれるよう努力していきたいです。

他職種との連携を大切にして患者様の安心できる場を作りたい

他職種との連携では、城内病院の医師、看護師、介護士、社会福祉士の方々がとても話しやすい雰囲気を作ってくださるため、落ち着いて自分の考えを伝えることができています。

どの職種の方も入社後すぐに私の名前を覚えて声をかけてくださり、入社間もない私の体調面や生活面の心配をして頂き、とても温かい職場だと感じています。

このように心温かい職場スタッフの方々と、患者様の日々の出来事や希望などの情報を共有することを大切にして、患者様やご家族が安心できる場を作っていきたいです。