切断指とは、指が事故や外傷などによって切断された状態のこと。切断指では、骨、腱、神経、血管、皮膚などが損傷・断裂します。
指が手から完全に離れた状態を完全切断、皮膚などの一部の組織が繋がっている状態を不全切断と呼びます。

切断した指は再接合して血行を再開させなければ、壊死します。事故やケガで指が切断された場合、すばやく応急処置をして、指を再接合することができる病院で処置する必要があります。

成人期扁平足の主な痛みと部位

切断指の原因とは?

切断指の原因は、おもに機械や工具の刃物により切断されるケースや事故などで指を挟み引き抜いた際に切断されるケースなどがあります。一般的な原因には以下のようなものがあります。

  • 機械による切断:
    電動のこぎりや除雪機などの電動工具や機械の刃物による切断。誤使用や不注意が指を切断する原因となることがある。
  • 手動の工具や刃物による切断:
    包丁、ノコギリ、鋸、剪定鋏、ナイフなどの刃物による切断。不注意や誤った使用が主な原因。
  • 事故による切断:
    交通事故、工場での事故、建設現場での事故などで指を切断、または重量物に指を挟まれて引き抜いた際に切断されることがある。

他にはスポーツやアクティビティ中の事故、重い落下物により指を挟まれての事故、動物の噛みつきによる切断、極端に寒冷な環境での冷凍傷などが原因になることがあります。

切断した指の再接着可能な条件

指の再接着は非常に難しい手術であり、全ての切断指が再接着可能なわけではありません。
切断部あるいはその周辺部が押しつぶされていたり引きちぎられている様な状態、切断部が汚染されている状態、熱が加わって切断された指、切断後冷却処置がなされないで時間が経った指などは再接着できない場合があります。

以下の条件が揃っていれば、再接着の成功率が高くなります。
最近では、血管が非常に細い指先の切断でも積極的に再接着が行なわれています。

  • 刃物で鋭利に切断されて組織の損傷・挫滅が少ない指。
  • 切断後の経過時間が短く、指の断面が新鮮な状態。
  • 切断された部位が適切な処置で保存されていて、清潔で可能な限り無菌状態に保たれている。

再接着の可能性を高めるための処置とは?

受傷後、なるべく冷静になり速やかに行動することが非常に重要です。
まず救急車を呼び、指と切断された部位はできるだけ速やかに再接着術を行うことができる病院や外科医に運ばれ、適切な処置が行われる必要があります。
また、救急車が到着するまでに適切な処置ができれば、指の再接着術成功の可能性が高くなります。

切断された指をラップや清潔なガーゼで包みビニール袋に入れきっちりと縛り密閉状態にします。それを氷の入った容器に入れて冷却しながら病院へ運んで下さい。
ビニールの中に水がはいったり、氷に直接つけたり冷凍して指を凍結すると、細胞組織がダメージを受ける可能性があり、手術成功の阻害となります。

切断指の再接着術について

切断された指は、手術の再接着術でできるだけ早く血流を再開させる必要があります。再接着術では、骨接合と腱縫合、手術用顕微鏡を用いた血管と神経縫合を行います。

再接着術は高度な外科手術であり、経験豊富な外科医や専門家の手で行われることが重要です。指の再接着手術は成功することもありますが、再接着された指の機能回復や結果は個人によって異なります。

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再接着術の後療法とリハビリ

術後は腫れ予防と血栓(血管の詰まり)予防のため入院が必要です。とくに術後24時間以内は縫った血管が詰まる可能性が高いため注意が必要です。

腫れ予防のために、ギプスシーネ(ギプス包帯を帯状にして患部に合わせて硬化させた副木)で手全体を固定し保護したうえで、患肢を挙上した状態を保ちます。

成人期扁平足の主な痛みと部位
成人期扁平足の主な痛みと部位

血栓(血管の詰まり)の予防のために、血管を拡張させるための保温、血液が固まらないような薬剤の点滴注射を行います。血管を縮めて細くする喫煙は禁止となります。

リハビリは、縫った血管を通る血流、骨、腱の状態がある程度安定してから開始されます。再接着した指関節の可動をスムースにするため、積極的なリハビリ訓練が必要になります。
適切な時期に十分なリハビリを行わないと、腱の癒着、関節拘縮などが残り、指の運動制限が発生します。専門医師の指導のもとで適切なリハビリを受けましょう。