「足をひねってから足の甲が強く痛む」「体重をかけると足の中央が痛くて歩けない」「数日経っても腫れや痛みが引かない」
このような症状がある場合、単なる足首の捻挫ではなく「リスフラン関節損傷」というケガを負っている可能性があります。
リスフラン関節損傷は、通常のレントゲン検査では異常が分かりにくく、見逃されることがあります。診断が遅れると、足の変形や慢性的な痛みが残るおそれがあるため、適切な検査と治療が重要です。
リスフラン関節とは?
リスフラン関節とは、足の甲の中央にある「足根中足(そっこんちゅうそく)関節」の総称です。足首と足の指の付け根の間に位置し、内側楔状骨(ないそくけつじょうこつ)などの足根骨と中足骨を、複数の靭帯でつないでいます。
この関節と靭帯は、足の土踏まずのアーチ構造を保ち、歩行時や走行時に体重を支えたり、衝撃を吸収するクッションのような非常に重要な役割を担っています。
リスフラン関節に強い外力が加わると、関節をつなぐ靭帯が損傷したり、周囲の骨が骨折したり、関節がズレたりすることがあります。
このような損傷を「リスフラン関節損傷」と呼びます。重症の場合は、足のアーチ構造が崩れ、歩行に支障を来すことがあります。

リスフラン関節損傷の主な原因
つま先側に体重がかかった状態で足部が強くねじられたり、外部から強い衝撃が加わったりすることで発生します。
- スポーツによる外傷:サッカー、ラグビー、剣道、体操など、つま先立ちの状態で急激なターンや踏み込み、ジャンプの着地を行うスポーツで多く見られる。
- 日常生活でのアクシデント:階段の踏み外しや、段差につまずいて足先をひねるなど、些細なきっかけで発症することもある。
- 交通事故・高所からの転落:事故や転落など、足部へ直接的な強い外力が加わることで発生する。この場合は複数の骨折を伴う重症例になりやすい傾向がある。

リスフラン関節損傷の代表的な症状
損傷の程度によって異なりますが、以下のような症状が現れます。
特に足の裏の内出血は、リスフラン関節損傷を疑う重要なサインの一つです。ただし、内出血が見られない場合でも損傷していることがあるため、痛みや腫れが強い場合は注意が必要です。
- 足の甲(中央部)の強い痛みと腫れ。
- 体重をかけること(荷重)が困難、または歩行時の鋭い痛み。
- つま先立ちができない。
- 足の裏(土踏まず付近)の内出血(皮下出血)。

リスフラン関節損傷の検査と診断
リスフラン関節損傷は、通常のX線(レントゲン)検査だけでは見逃されることが少なくありません。そのため、専門医による詳細な問診・診察と画像検査を組み合わせて診断します。
- X線(レントゲン)検査:足の骨や関節の位置関係を確認する。必要に応じて、体重をかけた状態で撮影したり、反対側の足と比較したりすることで、関節のずれや開きを評価する。小さな剥離骨片が見つかることもある。
- CT検査:レントゲンでは判別しにくい微細な骨折や、複雑な骨のズレ(転位)を立体的に確認・評価する。
- MRI検査:レントゲンには写らない靭帯の断裂や軟骨の損傷など、軟部組織の状態を詳細に評価する。
リスフラン関節損傷の治療方法について
治療方針は、関節のズレの有無や靭帯損傷による不安定性の程度によって決定します。
リスフラン関節損傷の保存的療法(手術をしない治療)
関節のずれや不安定性がなく、損傷が比較的軽度の場合は、保存的療法を行います。
ギプスや装具で足を固定し、必要に応じて松葉杖を使用して患部への負荷を制限します。固定期間や荷重を再開する時期は、損傷の程度や治癒の状態を確認しながら判断します。
痛みが落ち着き組織の修復が確認できたら、徐々に体重をかけるリハビリ訓練を開始します。
リスフラン関節損傷の手術療法
関節にズレがある場合や、靭帯損傷によって関節が不安定になっている場合は、手術を検討します。
ずれた骨や関節を正しい位置に戻し、スクリュー(ネジ)やプレートなどで固定する方法があります。損傷の状態によっては、関節固定術が選択されることもあります。
リハビリテーションと整形外科受診のご案内
治療においては、適切なリハビリテーションがスムーズな機能回復の鍵となります。
患部を固定している期間は、足首周辺の筋肉が硬くなり筋力も低下するため、患部の状態に応じて、関節の動きを改善する訓練や足・ふくらはぎの筋力強化、歩行訓練などを段階的に行い、日常生活への復帰を目指します。
リスフラン関節損傷は、「ただの捻挫だろう」と自己判断して無理に歩き続けると、足のアーチが崩れたまま治癒し、将来的に慢性的な痛みが残るなど足の機能に悪影響を及ぼす恐れがあります。
足の甲に痛みが続いている方、特に「体重をかけると痛む」「足の裏に内出血がある」という場合は放置せず、お早めに城内病院の整形外科へご相談ください。
