外反母趾の写真外反母趾とは、足の親指(母趾)の指先が人差し指(第2趾)側に曲がり、親指の付け根の関節(中足指節関節)が「く」の字のように外側に曲った状態(外反)を指します。

外反母趾の変形は患者様それぞれに違うため、患者様が訴える症状もそれぞれに違います。そのため外反母趾治療は、患者様それぞれの病態・症状に応じた治療が必要です。

手術が必要と判断された患者様の多くが、手術で外反母趾が治ったあとに、「おしゃれな靴が履ける」、「歩いているときの足の痛みがなくなった」と大変喜ばれます。

「靴を履いて歩くと痛い」、「靴がすぐにダメになる」などのお悩みがある方は、城内病院にて、あなたの外反母趾の病態・症状にあった適切な治療を受けてはいかがでしょうか。

外反母趾の原因となりやすい方

  • 靴:足(サイズ・足の形)に合わない靴や足先が細い靴は、親指の付け根から先を圧迫す る。 さらにハイヒール(ヒールの高い靴)は、足指の付け根にかかる負荷が増すため。
  • 生まれつきの足の形:原因の1つではないかと考えられている。扁平足あるいは扁平足ぎみ。人差し指が親指より長い。
  • 歩き方:足指を使わないペタペタ歩きは足指周りの筋力が低下し、外反母趾が進行する。
  • 加齢、運動不足や肥満:足指周りの筋力の低下や負荷の増加により、外反母趾が進行する。

細い靴で足先が変形し痛むイラスト外反母趾の患者様の多くは50代~60代の女性です。その理由は、女性は足先の細い靴やハイヒールを日常的に履くことと、加齢による筋力低下や肥満による負荷の増加が原因と考えられます。

外反母趾の症状と病態

外反母趾の病態(足の変形)は患者様それぞれに違うため、患者様が訴える症状もそれぞれに違います。

親指の付け根の関節が「く」の字のように曲がって突き出た部分の内側に、バニオンという軟部組織あるいは骨性の隆起が形成されます。このバニオンが、靴に当たり擦れて炎症を起こし痛む症状が代表的です。
炎症がひどくなると靴を履いた歩行時はもちろん、靴を履いていなくても痛むようになります。

そのほかの症状では、足の裏に痛みを伴う胼胝(べんち)というタコができる症状、外反した親指が人差し指の下に入るスワンネックや人差し指を押し付けて圧迫することで、人差し指や中指(第3趾)に痛みや変形が生じる症状があります。

患者様から「靴がすぐにダメになる」、「たった1週間で靴が履けなくなる」などと伺うことがよくあります。
たとえば、歩行時にキャンパス地の靴の側面部分が地面に擦れて壊れるのは、外反母趾により足が立体的に変形したことが理由だと考えられます。

城内病院の外反母趾の検査と診断

まず、見た目で親指の付け根が外反している場合は外反母趾を疑い、患部への触診で痛みの程度を判断します。
そののち、レントゲン(X線)検査で患部を撮影します。

親指の変形角度が20°以上で外反母趾と診断し、40°以上の変形は重度と診断します。

城内病院の外反母趾の治療

外反母趾の治療は、保存的療法と手術療法に分けられますが、外反母趾は放おっておいて治ることはないので、基本的には手術療法を患者様に勧めることが多いです。
その理由は、手術で外反母趾が治った患者様の多くが、「おしゃれな靴が履ける」、「歩いているときの足の痛みがなくなった」と大変喜ばれるからです。

外反母趾の保存的療法

症状や病態が軽度の場合は、保存的療法を選択することがあります。

  • 足先を圧迫するような靴を履くことを避ける。
  • 装具療法:足底板(インソール)を使用して、外反母趾変形して扁平足になっている足裏に土踏まずを作り、痛みを軽減する。
  • 運動療法・リハビリ:足指を筋力(グー・チョキ・パー)で開く体操。ゴム紐を使った体操では、外反した母趾を矯正される方向へ動かす。
  • 歩行指導:正しい歩き方を身につけることで、足指の筋力を強化する。
  • 薬物療法:痛み止めのための鎮痛剤を服用。

外反母趾の手術療法

外反母趾の変形を矯正するには、最も効果が期待できる手術療法をお勧めします。
外反母趾の手術法は100以上もあり、症状や変形の進行程度に応じた手術法を選択します。

代表的な手術法はマン法やミッチェル法といった中足骨骨切り術です。
中足骨骨切り術は、中足骨を切ることで親指を適切な角度に移動させます。固定のためには、鋼線やネジを使用します。
中足骨骨切り術のメリットは、関節をそのまま温存できることです。

マン法-術前レントゲン写真
マン法-術前
マン法-術後レントゲン写真
マン法-術後
ミッチェル法-術前レントゲン写真
ミッチェル法-術前
ミッチェル法-術後レントゲン写真
ミッチェル法-術後
ミッチェル法-抜釘後レントゲン写真
ミッチェル法-抜釘後

外反母趾の術後の入院とリハビリについて

手術法や患者様の年齢・体力で術後の入院期間はそれぞれ異なりますが、たとえば、中足骨骨切り術の場合は約2ヶ月ほどです。

中足骨骨切り術の術後4~6週間ほどは、ギプスで術部を固定して安静にしていただきます。その理由は、安静にしていないと、鋼線やプレートで固定した術部の骨がずれやすいためです。

固定期間中も、ベッドサイドリハなどできる範囲でリハビリを行います。
ギプスを外したのち、歩行訓練や筋力訓練などの本格的なリハビリを行います。