スポーツ選手がケガをした時などに「半月板損傷によるものである」と、皆さんもニュースなどでお聞きになることがよくあるのではないでしょうか。
本記事では、よく耳にすることがある半月板はどこにあってどんな役割があるか、また、損傷する原因・病態と症状を解説します。
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半月板損傷の問診・検査、保存的療法と関節鏡視下手術について
半月板損傷 半月板切除術後のリハビリ 40代女性の場合
半月板の役割はクッションとスタビライザー
半月板は、膝関節の大腿骨と脛骨の間の内側と外側にあるC型をした軟骨です。
体重や運動による負荷を吸収し軽減するクッションの役割と膝関節の動きを安定させるスタビライザーの役割をしています。
どのような原因で半月板を損傷しますか?
半月板が損傷する主な原因は、以下の3つです。
- スポーツや事故などのケガによる場合。体重が加わった状態でのひねりや衝撃によって損傷する。サッカー、野球、ラグビー、バスケットボールなどで起きやすい。
- 加齢により傷つきやすくなっている半月板に、軽微な外力が加わって損傷する場合。40歳以上ではちょっとした外傷でも損傷する。
- 靭帯損傷に合併する場合。靭帯損傷と半月板損傷が同時に起こる場合。また、すでに前十字靱帯が損傷していて、膝の不安定な状態が続くことで、半月板が損傷する場合もある。
半月板損傷の病態 半月板断裂の形とは?
損傷する原因がさまざまなため、損傷の形態もさまざまです。縦断裂、横断裂、水平断裂、変性断裂などがあります。
重度の損傷を治療せず放置すると、さらに関節軟骨を傷めて、変形性膝関節症に発展する場合があります。
半月板損傷の症状は?
- 膝の曲げ伸ばしの際に、痛みやひっかかりを感じる。
- 階段を下りるときなどに、ガクンと膝が崩れるような感じを受ける。
- 急に膝が伸ばせなくなる“ロッキング”という状態になる。歩けなくなるほど痛くなる。
- 関節炎が起こり、膝関節に水(関節液)や血液がたまる。
なるべく早く、整形外科を訪ねて適切な検査と治療を受けましょう
今回は、半月板自体と半月板損傷の原因と症状について説明しました。もし、あなたがスポーツなどでケガをして膝が痛むなら、半月板を損傷しているかもしれません。
痛むのに病院に行かず放置し続けるとより悪化し、さらには変形性膝関節症へと発展するかもしれません。なるべく早く、整形外科を訪ねて適切な検査と治療を受けましょう。