楽しみにしていた2020東京オリンピック・パラリンピックが新型コロナウイルスの影響を受けて、来年の夏までの開催に延期されたことは残念ですね。

話しは変わって、各競技が気になるのはもちろんのこと、世界中の人たちが集まるこの大会で提供される食事についても管理栄養士としては気になるところです!

アスリートたちが自国にいるときと同じようなコンディションを維持するための食事、競技関係者や観客向けの食事など、衛生面・栄養面・アレルギー・宗教についても配慮した食事提供がどのように行われるのかを調べてみました。

Tokyo Olympic 2020 と書かれた文字のイラスト フェンシング・水泳・マラソン・乗馬・射撃の選手のイラスト

食事提供される場所

食事が提供される場所は大きく4つに分けられます。
ひとつは各競技会場で、選手・選手団・各競技連盟・観客やスタッフ向けの食事提供。
そして選手・選手団の大会期間中の生活場所となる選手村、各国メディアの取材拠点となるメインメディアセンター、観光客へのPR活動やビジネスミーティングの行われるホスピタリティセンターにて食事提供が行われます。

提供食数は約1500万食以上!

大会全体で提供される食数は、約1500万食以上、選手村限定では約200万食(ピーク時間には30分でなんと1万食!)の食事提供が見込まれています。

24時間営業のメイン食堂を中心として、一日に最大で約5万食の食事提供が行われる予定です。
ちなみにこの食事提供をするスタッフの募集は最近まで公募されていたようで、世界的なこの祭典にスタッフとして参加できるチャンスが一般の人にもあるということは、とてもうれしいことだなと個人的には感じました。

提供されるメニューとは?

栄養学の専門家や料理人など、様々な分野の専門家が何度も会議を重ねてメニューが決定されます。
選手に対する栄養面・食品の安全衛生面に関して配慮され、提供食品の主要成分を英語・仏語・開催国語にて表示されることとなっています。

また、開催国の伝統料理に限らず、西欧料理・アジア料理・アフリカ料理等のメニュー提供やさまざまな宗教的習慣・食習慣への対応も配慮されています。たとえばイスラム教(ハラール)、ユダヤ教(コーシャ)、ビーガン(ベジタリアン)など。

ただ、東京大会は日本食のすばらしさを世界に発信する絶好の機会。
ユネスコ無形文化遺産にも登録された和食をベースとして調理法を工夫し、日本流のおもてなしを提供する方針になるようです。

厳しい調達基準に認められた安心・安全な食材

厳しい調達基準である「GAP認証」や日本独自の「JGAP」を受けた食材などが使用されます。生産工程を適切に管理し、安心・安全であることが認められた食材だけが使用されるということです。

また、東京大会では47都道府県すべての特産食材を使用する方針で進められています。

過去のオリンピック(リオ大会)での食事提供は?

リオ大会選手村での食事提供は、ジャンボジェット5機分に及ぶ広大な仮設テントが設置され、5300席が用意されました。
一日に延べ1万5千人~2万人が利用し、4万6千食が提供されました。この時も24時間営業で、食事提供のピークは朝7時半と23時頃だったようです。
6つのゾーンに分けられ、8日間のローテーションメニューによる多様な食事が提供されたそうです。