冷え症の治療において大切なことは、患者様本人が原因を知り、日常生活でその原因を取り除くよう努力すること。
医師による生活指導を取り入れると効率的に冷え症を改善することができます。
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冷え症を改善するための漢方療法・漢方薬
温まる食べ物を積極的に摂って冷え性を防ぎましょう
問診で冷え症の原因を探ります
問診で何が冷え症の原因かを探ることが医師の仕事。患者様の体格・体質、生活スタイルから冷え症の原因を特定します。
- 食生活:冷たい飲み物や食べ物ばかりを摂っていないか。
- 服装:服装で寒さにさらされていないか。
- 筋肉量:女性に多い痩せすぎで、筋肉量が不足していないか。
- 入浴:シャワーだけで済ませていないか。
- 生理周期:月経の影響はないか。
- 喫煙・過度な飲酒:喫煙習慣はないか。過度な飲酒をしていないか。
- ストレス:仕事や家庭環境で過度なストレスを受けていないか。
冷え症改善のための具体的な生活指導
問診で特定できた患者様の冷え症の原因を取り除くために、医師は日常生活で行える具体的な指導をします。
食事は冷え症治療の基本
からだを冷やす飲み物や野菜・果物(すいか メロン トマト)などを控えましょう。
からだを温める温野菜・根菜(にんじん ごぼう れんこん 生姜など)を積極的に摂りましょう。冬には温かい鍋物も効果があります。
肉、赤身の魚などのタンパク質の多い食材は、脱アミノ反応やアミノ基から尿素を生成する反応の過程で熱を作り出します。作り出された熱で体温が上がります。
また、筋肉量を増やすためにも良質なたんぱく質は積極的に摂りましょう。
寒さにさらされないよう服装を工夫しましょう
寒さにさらされない服装の工夫をしましょう。寒い時期には、首(動脈)や手首などの冷えやすい部位はマフラーや手袋で、足は締めすぎない靴下を重ねて履いて保温してください。
保温性や吸湿性が良く乾燥しやすい下着、お腹を温める腹巻やカイロも効果があります。
厚着や重ね着で保温するときに締め付けがきつくなると、血流が止まることがあります。締め付けのないゆったりした衣服を選びましょう。
運動習慣を身につけると冷え症の解消に効果大
筋肉量不足の方は下半身の筋力をつける筋力トレーニングが効果的。スクワットで大腿四頭筋、つま先立ち運動ではふくらはぎの筋肉が鍛えられます。
ウォーキングなどの有酸素運動を毎日継続して行うと、足腰の筋力を強化でき血行が促進されます。
運動習慣を身につけることで、筋肉量増加による熱量不足の解消や基礎代謝の向上をめざしましょう。ストレスの解消も期待できます。
ストレッチで血行促進させましょう
冷えている手や足を直接動かして血行促進させます。手や足をグーパーと開いたり閉じたり、手首足首をグルグルと回します。
入浴は冷え症による睡眠障害を改善します
冷え症で睡眠障害がある方には、丁寧に入浴指導します。
寝る前に足が冷えたままだと、体温が落ちないために睡眠障害になることがあります。
38度~40度くらいのぬるま湯に入ってからだを温めると、寝る前に適度に体温が下がり良質な睡眠に導かれます。
38度~40度くらいのぬるま湯で入浴すると、温熱効果による血行促進やリラックス効果も期待できます。
タバコ、過度の飲酒は冷え症の原因
タバコに含まれているニコチンは、血管を収縮させ血行を悪くします。喫煙は冷え症の原因となるため禁煙を指導します。
過度の飲酒もからだを冷やします。アルコールの代謝産物であるアセトアルデヒドは血管を拡張させるため、皮膚から熱が大量に放出されます。ビールはもちろん熱燗でも、過度の飲酒は体温を低下させます。
ツボ押しは血行を促進して体を温める効果があります
ツボ押しは、血行を促進して体を温める効果があり冷え症に有効です。手や足が冷たい場合は温めたうえで、「痛気持ちいい」くらいの力でツボを刺激しましょう。
- 指間穴(しかんけつ):手の甲側の人指し指から小指の指間の水かきにある3箇所。
- 合谷(ごうこく):手の甲の親指と人指し指の骨が交わった所からやや人指し指よりのへこんだ部分。
- 三陰交(さんいんこう):足の内側のくるぶしから指4本分ほど上にあるツボ。
- 八風(はちふう):足の甲の親指から小指までの各指の付け根の間のツボ。左右合わせて8箇所。