寝ていて脚がむずむずする男性のイラスト むずむず脚症候群は、夕方から深夜、おもに寝入りばなにかけて下肢を中心に不快な症状が現れる病気です。
最近ではレストレスレッグス症候群と呼ばれることが多くなっています。

病名にもなっている「脚がむずむずする」という不快な症状を脚の深部に覚える患者様が多く、その他には「かきむしりたくなる」「じっとしていると脚を動かしたくて我慢できなくなる」など多様な症状が挙げられます。

また、寝ようとして床に就いたときに不快感が現れることが多いため、睡眠障害を伴うことがよく見られます。
睡眠障害が続くことで症状がより悪化し、昼間の日常生活に支障が出たり2次的にうつ病などの精神症状が現れることも問題となっています。

むずむず脚症候群は、症状が多様なため「何科を受診すればよいかわからない」とおっしゃる患者様の多い病気です。
「睡眠時に脚がむずむずしてたまらない」などの症状がある方は、睡眠障害と積極的に向き合っている城内病院をお尋ねください。

むずむず脚症候群の症状

夕方から深夜にかけて、椅子やベッドでじっとしていると足の内側から不快な症状が現れます。
患者様によって訴えられる症状はさまざまですが、とくに多いのは「夜眠ろうとすると虫が這うようなむずむずとした不快な感覚を覚えて、じっとしていられない」という症状です。

歩き回ったりして足を動かすと不快な感覚は一旦消えるのですが、再び眠ろうとすると、また不快な症状が出て眠れないため、むずむず脚症候群の症状の患者様は睡眠障害も抱えているケースが多くあります。

  • 虫が這うようなむずむずとした不快感。
  • 痛み、かゆみ。
  • ピリピリする、ジリジリする不快な感覚。
  • じっとしていると脚を動かしたくて我慢できなくなる。

むずむず脚症候群患者の半数くらいは、夜半にむずむず症状が少なくなったためやっと眠りにつけるかと思いきや、今度は寝ていると足が周期的にピクッと痙攣する周期性四肢運動障害を合併します。
20~30秒間隔で痙攣するため、睡眠を妨げたり、目が覚めることはなくても睡眠が浅くなり昼間の日常生活に影響が出ます。

むずむず脚症候群になりやすい方は?

むずむず脚症候群の患者様は、男性より女性が多く高齢になるほど増加します。治療が必要な方は日本人では約200万人いるとされています。

鉄欠乏性貧血、パーキンソン病、関節リウマチ、糖尿病、透析患者(腎不全)、甲状腺機能が低下している方など基礎疾患がある方は、むずむず脚症候群を合併するリスクがあります。
また、妊娠が原因でおこることもあります。

遺伝との関わりも研究されていて、むずむず脚症候群の患者が家族や親族にいる方は発症しやすいと発表されています。

むずむず脚症候群の原因

むずむず脚症候群には、正確な原因は未だ解明されてない特発性と他の病気や薬が原因でおこる2次性に分類されます。

むずむず脚症候群は、脳内の神経伝達物質「ドパミン」がうまく働かなくなることが関係していると言う説が有力です。「ドパミン」は、手足を潤滑に動かす働きをする物質です。

「ドパミン」がうまく働かなくなることの原因とされているのが、鉄分不足です。
体内で「ドパミン」を生成する鉄分が不足すると、「ドパミン」の量が減少・機能低下して、神経細胞間の情報伝達がうまくいかなくなると考えられています。

むずむず脚症候群の診断・検査

まず、問診で患者様に、「どのような不快感があるか」「足を動かすと一旦不快感が収まるか」「むずむず脚症候群に合併することのある持病がないか」などを質問して、総合的に診断します。

むずむず脚症候群を疑えば、血液検査でわかるフェリチン(貯蔵鉄)指数で鉄分不足が体内でおこっているかを確認します。
必要であれば、終夜睡眠ポリグラフィー検査装置で寝ていると足が周期的にピクッと痙攣する周期性四肢運動障害を確認することも可能です。

むずむず脚症候群の治療について

むずむず脚症候群は、症状の緩和を目的として生活改善指導と薬物療法で治療します。
2次性のむずむず脚症候群には、原因となる基礎疾患の治療を行います。

むずむず脚症候群の生活改善指導とは?

日常生活の習慣を見直すことで、症状が緩和する場合があります。

カフェインの排除

カフェインは症状を悪化させ鉄分の吸収も妨げます。コーヒー・紅茶・お茶を飲まない。 また、就寝前のカフェイン摂取は眠りを浅くして良質な睡眠の妨げにもなります。

アルコールや喫煙を控える

過度のアルコール摂取や喫煙は交感神経を刺激して不快な症状を悪化させます。

足のマッサージや適度な運動

就寝前に脚の筋肉をほぐすストレッチやマッサージを指導します。ウォーキングなどの適度な運動も有効とされています。

脚の筋肉をほぐすストレッチやマッサージをする女性のイラスト

むずむず脚症候群の薬物療法とは?

むずむず脚症候群の原因となっている病気がないか確認の検査を行い、原因がはっきりすればその病気の治療や原因である薬物の服用を中止します。

そのうえで原因がはっきりしない特発性となれば、患者様の症状や程度に応じた薬を選択します。
薬の服用を患者様の自己判断で止めると再発する可能性があるため、医師の判断に従って継続する必要があります。

ドパミン受容体作動薬

治療の第一選択薬。飲み薬と貼り薬がある。神経伝達物質ドパミンの作用を増強する効果がある。

鉄剤

原因とされる鉄欠乏性貧血や鉄分不足には鉄分の補給を行う。

抗てんかん剤

神経の興奮を抑えて「脚の不快感」や「じっとしていられない気持ち」を軽減させる。

むずむず脚症候群(レストレスレッグス)治療薬

商品名レグナイト、ドパミン製剤にて効果がない場合や症状が痛み中心で中等度から重症の特発性(原因がはっきりしない)のむずむず脚症候群に効果がある。