デスクワーク、立ちっ放しの接客、家事・子育てなどにより、長時間同じ姿勢を維持することが、現代の生活では多くなっています。
長時間同じ姿勢を維持することで、筋肉が硬直し血流が滞ります。結果として酸素や栄養の供給が減少し、老廃物や疲労物質が体内に溜まってしまうと、体の活力が生まれなくなりコリや疲れが発生しやすくなります。
また、体が硬くなると姿勢が歪み、筋肉が正しく使われずに代謝が悪くなるため、運動不足の方は太りやすくなってしまいます。

ストレッチの効果

ストレッチは、怪我の予防として運動前の準備体操と捉えがちです。しかし、ストレッチの効果は、怪我の予防だけにとどまりません。
ストレッチは、硬く縮んでしまった筋肉を伸ばし、本来の筋肉の長さに戻します。伸ばすことで柔らかくなった筋肉は、本来の血流を促すポンプ機能を取り戻し、酸素や栄養の供給を行い、老廃物や疲労物質を体外へ押し流します。
そのうえ、普段鍛えられない筋肉を刺激することは、代謝を向上させ柔軟性も得るので、しなやかな体作りに役立ちます。

個人差はありますが、結果として、ストレッチは、肩こり・腰痛改善、疲労回復、運動不足解消、脂肪燃焼促進、運動能力向上、冷え性・むくみの改善、心身リラックスの効果が期待できます。

今回は、立ち仕事、座り仕事、かがみ仕事に効く代表的な6つのストレッチを紹介します。仕事の前後、仕事中、就寝前などにお試しください。

立ち仕事に効くストレッチ

行進運動(その場で足踏み)

回数:20回☓3セット
効果:股関節と太ももを大きく動かすことによって、足全体の血液の循環を良くします。
注意点:背筋をまっすぐ伸ばし、背中が丸まらないように注意します。片足立ちになるので、バランスを崩しての転倒に注意してください。

行進運動の解説写真1
1.背筋をまっすぐ伸ばし、片脚を大きく振り上げます。
行進運動の解説写真2
2.次に反対の足を大きく振り上げます。

フラミンゴストレッチ

回数:左右20秒☓3セット
効果:太もも前面の筋肉を伸ばすことで、だるさや疲れを抑えることができます。
注意点:背筋をまっすぐ伸ばします。背中が丸まらないように注意します。片足立ちになるので、バランスを崩しての転倒に注意してください。

フラミンゴストレッチの解説写真1
1.背筋を伸ばし、踵をお尻につけるように膝を曲げます。
フラミンゴストレッチの解説写真2
2.次に、反対側の膝を同じように曲げます。

座り仕事に効くストレッチ

首回し運動

回数:5秒で1周 左右5セット
効果:首の周りの筋肉を伸ばすことで、肩周囲のだるさや疲れを抑えます。
注意点:速く回すと首を傷める可能性があるので、できるだけゆっくりと回します。

首回し運動の解説写真1 首回し運動の解説写真2
1.背筋を伸ばし、首を回します。
首回し運動の解説写真3 首回し運動の解説写真4
2.ゆっくりと1周したら、反対に首を回します。

胸ストレッチ

回数:10秒☓3セット
効果:胸の筋肉を伸ばすことで、丸まった背中をほぐすことができます。
注意点:腰をまっすぐ伸ばし、肩甲骨を背骨に寄せるようなイメージで行います。

胸ストレッチの解説写真1
1.背筋をまっすぐにして、背もたれに背中がつかない程度に座ります。
胸ストレッチの解説写真2
2.次に、手を大きく外側に開きます。手を開く際、手のひらは外側を向けましょう。

かがみ仕事に効くストレッチ

背中のストレッチ

回数:10秒☓3セット
効果:背中を反らすことで、丸まった背骨を伸ばします。
注意点:ゆっくり息を吐きながら腰を反らしてください。腰に持病をお持ちの方は、痛みの出ない範囲で行ってください。

背中のストレッチの解説写真1
1.背筋を伸ばし、まっすぐ立ちます。
背中のストレッチの解説写真2
2.次に、顔は天井を見るように腰を反らします。その際、できるだけ膝は曲げないようにします。

体幹前屈運動

回数:10秒☓3セット
効果:体幹を前屈させることで、下肢後面のだるさや疲れを抑えます。
注意点:ゆっくり息を吐きながら体幹前屈を行ってください。

体幹前屈運動の解説写真1
1.背筋をまっすぐ伸ばします。
体幹前屈運動の解説写真2
2.両手を伸ばし、つま先につけるように前にかがみます。