足を捻挫する女性のイラスト足首(足関節)の捻挫とは、スポーツや歩行時でのつまずき・転倒で、足首を自分の意志とは関係なく捻る(ひねる)・挫く(くじく)と、関節を支えている靭帯や関節包が損傷することです。

足首の捻挫は、「たいしたことはない」と病院に行かず放置する方が多くいらっしゃいます。
放置して靭帯の損傷をさらに悪化させると、足首の不安定性が増して捻挫を繰り返したり、痛みが強くなったりします。とくに、部活動に励んでいる中学生・高校生やスポーツ選手は、運動能力が低下する恐れがあります。

「たいしたことはない」と捻挫を放置せずに、なるべく早く病院で適切な検査・治療を受けましょう。

足首の捻挫 原因となりやすい方

足首の捻挫の原因は、スポーツや歩行時に転倒して足を捻る(ひねる)・挫く(くじく)ことです。

足首の捻挫は、誰にでもおこりえます。とくに、スポーツをしている中高生は激しく運動しているために多くみられます。

  • グラウンドなどを走っていて、凸凹な地面に足を取られて転倒した時。
  • バスケットボールやバレーボールなどでのジャンプ後の着地を失敗した時。
  • 歩行時に段差や階段などでつまずき転倒した時。

足首の捻挫 症状と病態

圧倒的に足首を内側に捻る内反捻挫が多く、足首外側の靭帯が損傷して外側のくるぶしの前や下に痛みや腫れが出ます。
内反捻挫の場合、とくに多いのが足首外側の前距腓靭帯の損傷です。

後ろ向きに倒れた時には、足首を外側に捻る外反捻挫が起こりやすく、内側のくるぶし周辺が腫れて痛みます。
外反捻挫の場合は、足首内側の三角靭帯の損傷が見られます。

内反捻挫の場合損傷する靱帯のイラスト

足首の捻挫は、靭帯の損傷程度で3段階に分類されます。

  • 1度捻挫:靭帯が伸びる程度の損傷。
  • 2度捻挫:靭帯の一部が切れる程度の損傷。
  • 3度捻挫:靭帯が完全に切れる。

足首の捻挫は、再発しやすく捻挫が癖になります。何度も捻挫を繰り返す方は、すでに靭帯が損傷・断裂していて、捻挫しても痛みを感じなくなっていることもあります。

城内病院での足首の捻挫の問診と検査

まず、問診において患者様に「どのような時に、どのように足を捻ったか」をお聞きして、患部を視診や触診します。

そののち、エコー検査で靭帯の損傷程度を確認し、レントゲン(X線)でのストレス撮影を行います。
ストレス撮影では、足首をぐっと曲げた状態で撮影することで、足関節の不安定性を確認できます。
さらに、詳しい検査が必要であればMRIで患部を撮影します。

城内病院での足首の捻挫の治療

足関節の捻挫の治療は、原則として保存的療法を選択します。
患者様が高齢の場合、靭帯が断裂していてもあまり手術はお勧めしません。保存的療法の装具固定やリハビリテーションで日常生活に支障がないまでに治癒することができます。

応急処置としてのR.I.C.E.処置

足首の捻挫にはR.I.C.E.処置という応急処置が重要です。受傷直後に、R.I.C.E.処置を足首に施すと早期回復につながるとされています。

足首を固定し氷水を入れたbニールで冷やすR.I.C.E.処置のイラスト
  • Rest(安静):足首を固定する。
  • Ice(冷却):氷水を入れたビニール袋で患部を冷却する。
  • Compression(圧迫):腫脹(腫れ上がった)部位を包帯で巻いて圧迫する。
  • Elevation(挙上):横になって足首を心臓より高く挙げて安静にする。

(関連リンク)
外傷時応急処置のRICE処置とは?

足首の捻挫の保存的療法

原則として安静にすることが前提となります。

  • 装具固定:ギプス、サポーターやテーピングなどで固定する。損傷程度によって装具も変わる。
  • 薬物療法:鎮痛剤で患部の痛みを抑える。
  • リハビリテーション:運動療法などで早期回復を図る。

足首の捻挫の手術療法

手術するケースは少ないのですが、中学生や高校生のスポーツを続けたいという希望がある方、強い痛みが続く方や足首の不安定性が強い方に靭帯再建術を行います。 入院期間が2~3週間必要です。

靭帯再建術とは、靭帯断裂は骨の付着部で靭帯が切れていることが多いので、骨にアンカー(糸付きネジ)を打ち、そのアンカーと靭帯を結ぶ手術です。最終的に靭帯が骨と結合します。

足首の捻挫の後遺症について

徐々に痛みが治まっても、治療を自己判断で止めたり、リハビリテーションをきちんと行わずに復帰すると後遺症が残ることがあります。
具体的には、足関節の不安定性が残り、捻挫を繰り返す可能性や足首の痛みが再発する可能性があります。
とくに、スポーツしている方がきちんとリハビリを行わないと、運動能力が低下する恐れがあります。

医師やリハビリスタッフのもとで適切な指導を受けて、あなたの症状に応じたリハビリテーションを根気よく行いましょう。