る内軟骨腫のイラスト内軟骨腫は手足の小さな骨にできることの多い良性腫瘍です。とくに手の指の骨に多く見られます。

通常、関節の表面を覆い関節を滑らかに動かす働きをする軟骨。この軟骨組織が骨内で異常に増殖するのが内軟骨腫です。

内軟骨腫の症状とは?

城内病院では30~40代の女性に患者様が多い傾向の内軟骨腫。
「なにかに手を軽くぶつけた時に指の骨が折れたようで痛い」と来院された患者様を検査するケースで、内軟骨腫はよく見つかります。

その理由は、指などの小さな骨の内に内軟骨腫ができて徐々に大きくなると、骨が薄く弱くなったり、膨張して変形します。痛みがでることもあります。
発症初期は痛みなどの症状が出ることは少ないため、指をなにかにぶつけるなどの軽い衝撃で骨折してしまって発見されるのです。

内軟骨腫の原因と病態

内軟骨腫には単発性と多発性があり、ほとんどは手足の指の小さな骨に1箇所できる単発性内軟骨腫です。
単発性の原因は未だ完全には解明されていませんが、遺伝子の変異が原因になっていると考えられています。

多発性内軟骨腫は複数箇所でおきる内軟骨腫のことで、片半身だけに多発するオリエール病、血管腫を合併するマフッチ症候群があります。
多発性内軟骨腫は悪性化するリスクが有り、遺伝的要因も指摘されています。

内軟骨腫の検査

ほとんどの患者様が骨折して痛みが出てから来院されるため、問診で痛む部分や痛み始めた契機などを伺ったのち、骨折部をレントゲン撮影します。
レントゲン写真で骨折した骨の内部が全体として透明になって見えれば、内軟骨腫による骨折を疑います。
必要に応じてCT検査も行います。

腫瘍が良性か悪性かはっきりさせるために病変の一部を取り出して、病理検査を行います。

内軟骨腫の治療とは?

骨折する前に内軟骨腫が発見された場合は、痛みなどの症状がなければ治療せずに経過観察します。

骨折している場合は内軟骨腫切除術が必要です。
手の指の内軟骨腫切除術では、骨の中から腫瘍を掻き出して(掻爬)、掻き出したあとの骨欠損部に他の部分の正常な骨や人工骨を移植して、プレートや針で固定します。

手術後は骨が癒合するまで装具で固定します。痛みはなくなり多くは完治します。