今回の城内病院栄養部作成記事は、「抗酸化物質を効果的に摂る方法」です。
本記事を参考にして頂き、体内の活性酸素を抑える抗酸化作用力を高めることができれば、「老化スピードの抑制」、「病気予防や免疫力アップ」、「疲労回復やストレス軽減」に効果が期待できます。

抗酸化作用とは?

私たちの体は、日々呼吸をするだけでも「活性酸素」という物質を生み出し、細胞を酸化させています。
活性酸素は、呼吸やストレス、紫外線、大気汚染などによって体内で自然に発生しますが、過剰になると細胞を傷つけ、老化や動脈硬化、がん、免疫機能の低下などさまざまな病気につながる原因となる可能性があります。

これを防ぐカギとなるのが、「抗酸化」という働きです。体内で活性酸素を抑える力を高めることで、老化や病気を防ぎ、元気な毎日をサポートしてくれます。

抗酸化作用の3つの健康効果

老化スピードの抑制

抗酸化物質は、細胞が酸化して劣化するのを防ぐため、見た目や体内の老化を遅らせる効果があります。特にビタミンCやポリフェノールなどは肌のハリや弾力を維持することで注目されています。

病気予防や免疫力アップ

抗酸化物質は細胞の損傷を防ぎ、がん、動脈硬化、心筋梗塞、脳卒中などの重大な病気のリスクを低下させます。また、免疫細胞を強化し感染症にも抵抗力を発揮します。

疲労回復やストレス軽減

活性酸素が増えると身体が慢性的な疲労を感じやすくなりますが、抗酸化作用を積極的に活用することで、疲労回復やストレス軽減に繋がります。

抗酸化作用が高い食材、主な働き、効果的な摂り方を紹介します

抗酸化作用が高い食材を効果的に摂取するポイントは、多様な食品を組み合わせ、毎日の食事で摂り続けることです。
また、加熱調理しすぎると効果が落ちる食品もあるため、生や軽めの調理で摂取することがおすすめです。

ビタミンC
主な働き:強い抗酸化作用。コラーゲンの生成を助け肌のハリを保つ。免疫機能を高め、風邪予防にも役立つ。
多く含まれる食品:キウイ、イチゴ、赤ピーマン、ブロッコリー、レモンなど

ビタミンE
主な働き:細胞膜の脂質の酸化を防ぎ、細胞の老化を遅らせる。血行促進やホルモンバランスの調整にも関与。動脈硬化や心疾患の予防に効果が期待される。
多く含まれる食品:アーモンド、ひまわり油、かぼちゃ、アボカド、うなぎなど

ポリフェノール(例:カテキン、アントシアニン)
主な働き:非常に強力な抗酸化力を持ち、活性酸素を除去。抗炎症作用や血糖値の安定にも効果がある。脳の老化予防や認知機能の維持にも注目されている。
多く含まれる食品:緑茶(カテキン)、ブルーベリー(アントシアニン)、赤ワイン、カカオなど

ロテノイド(例:βカロテン、リコピン)
主な働き:体内でビタミンAに変換され、皮膚や粘膜の健康を保つ。リコピンは紫外線による肌ダメージを防ぎ、美容に良い。眼精疲労の予防や視力の維持にも効果的。
多く含まれる食品:にんじん(βカロテン)、トマト(リコピン)、かぼちゃ、ほうれん草など

抗酸化作用の強い食品群の図

活性酸素を増やさないための生活習慣とは?

  • 紫外線対策を徹底する。
  • 軽度な運動を行う。
  • 十分な睡眠をとる。
  • お酒やたばこなどの嗜好品はなるべく控える。

まずはできることから始め、将来の健康を守りましょう!!

文責:管理栄養士 鶏尾紗季