みなさんは、一口に何回噛んで食べていますか?
現在の食生活では、あまり噛まずに食べられる柔らかい食品が増え、食事にかける時間が短く済むことで、昔に比べると噛む回数が減ったと言われています。
実は、よく噛んで食べることは、肥満防止や減塩などの健康づくりに役立ちます。今回は、よく噛んで食べることの効果についてご紹介します。
噛んで食べれば良いことたくさん!
- 脳を活性化する: よく噛むことで、脳の複数の領域が活性化し脳の血流が良くなり、記憶力や集中力を高めます。
- 肥満防止: ゆっくりよく噛んで食事することで脳の満腹中枢が作用し、適量の食事で満腹感が得られ食べ過ぎを防ぎます。
- 消化を助ける: よく噛むことで食物が細かくなり、消化酵素を含む唾液と混ぜ合わせることで、胃腸の消化吸収を助けます。
- 虫歯・歯周病を予防する: よく噛むと唾液がたくさん出て、口の粘膜を保護し口の中をきれいにしてくれます。
- 発音や表情が良くなる: よく噛むと口の周りの筋肉を自然に鍛えられるので、口の働きが良くなり言葉をはっきりと発音できるようになります。 また、表情筋も鍛えられるので表情が豊かになります。
よく噛む習慣を付けよう!
歯や顎の状態がよくないときは噛みやすい食事にすることも必要です。自分に合ったやり方でこれから少しずつ噛む習慣を付けてみましょう。
ゆっくりと一口30回噛む
まず噛むことを意識しましょう。噛むときはゆっくり大きく顎を動かし、一口30回は噛むようにしましょう。
食べ物を飲み物で流し込むのはやめよう
食べ物をよく噛まずに水分で流し込むと、唾液中の消化酵素の働きが弱まってしまいます。
噛むメニューを取り入れよう
一口30回噛むにも、噛み応えのないものを噛むのはなかなか難しいので、噛む回数が自然と増える料理を食べましょう。
- 噛み応えのある食材を選ぶ
りんご、ごぼう、たけのこ、こんにゃく、れんこん、たこ、いかなど。 - 食材は大きく切る
千切りやみじん切りより、乱切りのように大きめに切ると自然と噛む回数が増えます。 - 薄味にする
薄い味付けだと、脳がその味を知ろうとしてよく噛むようになります。 - 加熱時間を工夫する
魚:加熱すると硬くなる。
肉:最初は硬くなるが、長時間煮込むと軟らかくなる。
野菜:生は噛み応えのあるものが多く、加熱するほど軟らかくなる。
食事全体のバランスを見て、柔らかいものばかりに偏らないように加熱時間を工夫しましょう。
文責:管理栄養士 野田杏菜