漢方薬のイラスト 漢方医学は、「気・血・水」の異常や「五臓」といわれる各臓器間「肝・心・脾(胃腸)・肺・腎」の不調により、体だけでなく心も不調和になり、病気になると考えます。
病気やつらい症状を解消するには、「気・血・水」や「五臓」をバランスのとれた状態に戻す必要があります。すなわち、行き過ぎた不調を見つけ、あなたの心の不調に効果のある漢方薬を処方することが大切です。

(関連リンク)
「証」を特定する3つ要素 ~「気・血・水」「六病位」「五臓」について~

心と体は相関して病気になる

以下は、心と体が創刊して不調の例です。

  • 痛みが気になってうつ状態になり、より痛みが増してくる
  • なかなか治らないしびれが原因でうつ状態になるケース
  • 痛み止めを服用しても、なかなかすっきりしないケース

患者のイラスト 上記のように、症状の原因がわからない、西洋医薬を服用していてもなかなか治らないなどの体の不調が、心の不調に繋がるケースはよくあります。その逆のパターンもあります。
つまり、これらのケースは、漢方医学の心と体が相関して病気になるという考え方で説明できます。

体の不調とともに心の不調もみられる患者様には、心の状態を立ち上げる漢方薬を処方すると、うまくいくことがあります。漢方薬は生薬の複合体なので、対象症状だけでなく関連する周辺症状も改善するという、良い意味での副産物がもたらすことがあります。

たとえば、胃の病気に対して漢方薬を処方した患者様から、「胃がすっきりしただけでなく、体力が戻り、肌つやが良くなり、白髪も減ったので気持ちが明るくなりました。」と報告していただいたこともあります。

心の不調を漢方薬で治療した具体例

Aさん(70才 男性 アルツハイマー病の症状が見られる)

精神科に通院されているAさん。
たくさんの向精神薬を飲んでいるAさんが来院。「精神科の薬を飲むと次の日にフラフラとして、夜はなかなか眠れない」「だから、睡眠薬がないと眠れないという状況になった。睡眠薬を切りたい」と訴えられました。

「興奮して眠れない」、アルツハイマー病患者に見られるせん妄(夜になると興奮する)症状がありました。精神病院に睡眠薬だけ少しずつ減らす許可を得て、神経のたかぶりを抑える効果がある抑肝散を処方しました。
最初は睡眠薬と抑肝散を併用しながら、睡眠薬を1日置きに服用していただきました。徐々に睡眠薬を減らし、抑肝散の服用を続けていただくと、Aさんはしっかり眠ることができるようになりました。

Aさんの場合は睡眠薬への依存を西洋医薬に比べ、依存性が少ない漢方薬への依存に置換することで、不眠症を解消しました。
さらに、依然として残されている心の依存も、抑肝散の服用を続けることで解消されました。そして、Aさんは最終的に漢方薬も服用する必要がなくなりました。

心の不調にも漢方薬は効きます

  • ストレス
  • うつ状態
  • イライラ
  • 自律神経失調症
  • 不眠症
  • 更年期障害
  • 不安発作など

医師のイラスト心と体は相関して病気になると考える漢方医学は、体の不調とともに心の不調にも、有効な漢方薬を処方することができます。体と心の崩れたバランスを整えることで、心のつらい症状を緩和します。

心の不調が見られる方、症状の原因がわからないと診断された方、西洋医薬を服用していてもなかなか治らない方は、一度、漢方専門医のいる城内病院をお訪ね下さい。