頭痛は、1次性頭痛と2次性頭痛に分類されます。1次性頭痛は、特定の病気などが原因ではなく、頭痛そのものが病気である状態で、片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛などにタイプ分類されています。
2次性頭痛は、脳腫瘍、脳出血、髄膜炎など他の病気やケガが原因で起こる頭痛で高いリスクを孕んでいる可能性があります。
今回の一般内科作成記事のテーマは、1次性頭痛の片頭痛です。片頭痛の症状・原因、頭痛が起きた時の対処法、生活習慣改善での予防についてお話します。
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片頭痛の症状と原因について
片頭痛は女性に多く見られます。
症状は頭の片側(または両側)が脈打つようにズキズキと痛みます。吐き気や嘔吐を伴うこと、音や光、匂いなどに対して敏感になることもあります。
痛みは強く、4〜72時間ほど持続するために日常生活に支障を来すこともあります。
また、片頭痛が起こる前に目の前がチカチカする・目が回るなどの前兆が現れること、体を動かしたり入浴したりすると悪化することがあるのも特徴です。
片頭痛がおきるきっかけは、ストレス・精神的緊張、またそのストレスが解放されたとき、寝過ぎや寝不足、アルコールの摂取、女性ホルモンの変化(月経周期)、天候や気圧の変化、疲れ、空腹、肩こりなど様々です。
上記のようなきっかけで、脳の血管が拡張することで周囲の三叉神経が刺激され、刺激で発生する炎症物質がさらに血管を拡張して片頭痛が発症するのではと考えられています。
片頭痛の主な症状の特徴
- 拍動性の痛み:
頭の片側または両側にズキズキと脈打つような痛みが生じる。 - 重度の痛み:
日常生活に支障が出るほど強い痛みで、動くと悪化することがある。 - 吐き気・嘔吐:
消化器系にも影響が出て吐き気を催す。実際に嘔吐することもある。 - 感覚過敏:
光、音、においに対して通常以上に敏感になる。 - 持続時間:
4〜72時間ほど続くことがある。 - 前兆:
頭痛の前に目の前がチカチカする、目が回るなどの視覚症状が現れることがある。
片頭痛 ~痛みがあるときの対処法~
片頭痛の痛みがあるときの対処法として、以下の方法が効果的です。
- 静かな暗い場所で休む:片頭痛は光や音に敏感になります。動くと痛みが増すこともあるので、暗いところで横になって安静にしていると痛みが和らぐことがある。
- 冷やす:冷たいタオルや氷枕でこめかみや後頭部を冷やすと血管が収縮し、痛みが軽減することがある。
- カフェインを適度に摂る:カフェインには血管を収縮させる作用があり、片頭痛の初期に摂取すると症状が軽くなることがある。ただし、過剰摂取すると逆に片頭痛を悪化させることがあるため注意が必要。
- 痛み止めの服用:片頭痛が始まったら、消炎鎮痛薬(イブプロフェン、アセトアミノフェンなど)を早めに服用すると効果的。ただし、月に10回以上消炎鎮痛剤を使用すると薬物乱用頭痛を引き起こす可能性があるため注意が必要。
片頭痛を生活習慣で予防するには?
片頭痛を予防するには生活習慣の改善を継続的に行うことが重要です。片頭痛発作の発生頻度を減らし、症状を緩和できる可能性があります。
患者様に合った予防法を見つけるためには、医師の適切な指導のもとで生活習慣を改善しましょう。
バランスの取れた食事
血管収縮を抑える効果があるマグネシウムを多く含むナッツ類、葉物野菜、青魚は積極的に摂取しましょう。逆に、片頭痛誘発食品のチョコレート、ワイン、チーズ、カフェインの多い飲み物は控えめに。
脱水症状は頭痛の原因となるため、十分な水分補給を心がける。
規則正しい睡眠
睡眠不足や過眠は片頭痛の要因。毎日同じ時間に就寝・起床し、6〜7時間程度の質の高い睡眠を確保しましょう。ブルーライトは入眠の妨げになるため、寝る前はスマートフォンやパソコンの使用を控える。
適度な運動
適度な運動は、ストレス解消や血行促進につながり、片頭痛の予防に有効。30分程度のウォーキングや軽いストレッチを無理のないように継続的に行いましょう。
ストレスコントロール
ストレスは片頭痛の大きな原因の一つ。読書、入浴などリラックスする時間を設けて自分に合ったストレス解消法を探しましょう。
気象変化への対策
気圧の変化は片頭痛の誘因となることがある。低気圧接近時や酷暑時は要注意。前もって天気予報などを調べておいて、体調に気を配りましょう。