動悸とは、「自分の心臓の拍動がなにかいつもと違うな」と自覚される症状のことです。
心臓の動きが「バクバク・ドキドキと速い、脈が飛んだかな、あれなにかゆっくりかも」、このようにいつもと違うと感じれば動悸と表現されます。
運動、興奮、緊張などでおこるバクバク・ドキドキも本人が自覚すれば動悸ということになります。このような一時的に起こる動悸は健康上に問題があるものではありません。
一方、健康上問題なくおきる動悸と比べればまれですが、心臓の病気、甲状腺異常や更年期障害などを原因として動悸がおきることがあります。
病気が原因と考えられる動悸は、その危険を知らせるサインの可能性があります。動悸の原因である病気を特定し適切な治療を速やかに受ける必要があります。
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病気が原因の動悸を診断・治療する
動悸がおきる原因とは?
動悸がおきる一般的な原因には以下のようなものがあります。
- 運動:激しい活動時や運動時には、心臓の拍動が速く強くなる。
- ストレスや不安:精神的な状態が影響して、心拍数が上がる。
- 緊張や疲労:長時間の緊張やストレス、睡眠不足、過度の疲れは心臓にも影響を与える。
- カフェイン摂取や喫煙:コーヒーやエナジードリンクなどのカフェインが多い飲み物、タバコの喫煙は心拍数を上昇させることがある。
- 不整脈:心臓のリズムが乱れたり、心臓の拍動が速くなったり、遅くなったりすることで、動悸がおこることがある。
- 心臓の問題::心臓弁膜症や心筋症など心臓に異常がある場合にも動悸がおこることがある。
- 甲状腺関連の問題: 甲状腺ホルモンの過剰分泌や甲状腺機能亢進症は動悸の原因になることがある。
- 更年期障害:更年期に女性ホルモンの分泌が低下し自律神経のバランスが崩れて、動悸が生じることがある。
- 貧血:血液中の酸素量が低下すると、心臓が酸素を運ぶためにより頻繁に拍動することがある。
- 薬の服用:一部の薬物や医薬品は心拍数に影響を与えることがある。
動悸の種類
動悸は、症状や原因に応じて引きおこされることがあります。動悸の鼓動のパターンにより種類は大きく3つに分類されます。
心拍が速い・鼓動が激しくなる
心臓の拍動が通常より速い状態。動悸の鼓動のパターンの中では一番多いといわれ、緊張や飲酒、激しい運動をしたときなど一時的な動悸にも多く見られる症状。
脈が飛ぶ・鼓動が乱れる・胸が詰まる
心臓のリズムが乱れる状態。脈が不規則に1回飛ぶ、不規則な鼓動が感じられる。健康な人にもおこるが、拍動の乱れが慢性的におこるのであれば、何らかの疾患がある可能性がある。
ドクンドクンと鼓動が大きく、ゆっくり感じる
通常よりも鼓動が大きく感じる心臓の拍動。脈拍が遅いと心臓から送り出される血液が少なくなり、体中に血液が行きわたらなくなることで、動悸以外にもめまいや息切れなどがおこる可能性が高くなる。失神する場合もある。
医師の受診を受けるべき動悸
以下の項目に当てはまるようであれば、早めに医師の診察を受けることをお勧めします。
- 急激な動悸:突然激しい動悸が起きた場合、突然の不規則な鼓動や強い動悸がある場合。
- 頻繁に繰り返す動悸:何度も繰り返す動悸がある。日常生活に支障をきたすほどの頻度の場合。
- 継続的な不快感:動悸が長期間続いており、不安や不快感を引き起こしている場合。
- 他の症状との関連:動悸とともに胸痛、ふらつき、めまい、息切れ、意識喪失・失神などの症状が現れる場合。
- 基礎疾患やリスクファクター:高血圧、糖尿病、心臓病などの基礎疾患や、家族歴により心臓疾患のリスクが高い場合。