シンスプリントとは、主にすねの内側(脛骨の内側下方)に痛みが生じるスポーツ障害で、正式には「脛骨過労性骨膜炎(けいこつかろうせいこつまくえん)」と呼ばれます。
この障害は、陸上競技、バスケットボール、サッカーなど、ランニングやジャンプを伴うスポーツを行う人に非常に多く見られます。
特に、運動を始めたばかりでトレーニング負荷が急激に高まりやすい中学・高校の新入部員や、シーズン初期、練習量が急増した時期の選手に多く発症するのが特徴です。
シンスプリントの治療については、“シンスプリント(脛骨過労性骨膜炎) 〜すねの内側の痛みは体からの休養のサイン〜”を参照してください。
今回、城内病院リハビリテーション部が作成する記事では、シンスプリントなど運動障害を未然に防ぐため、自宅で出来るストレッチ・運動を紹介します。
痛みが強い場合は無理に運動を行わず、病院受診を行い、主治医の判断に従って運動を行ってください。
シンスプリント予防のふくらはぎ(ヒラメ筋)のストレッチ
- 目的:
- 硬化したふくらはぎ(ヒラメ筋)をほぐし、すねの骨膜への牽引ストレスを軽減する。
- 効果:
- 慢性的な痛みの緩和、炎症の早期改善、足首の可動域向上。再発防止も期待できる。
- 片方の足を前に出す。
- もう一方の足を後ろに伸ばし、踵を床に押し付ける。
- 無理のない範囲で20〜30秒キープする。
- 左右交互に2〜3セット行う。
シンスプリント予防の後脛骨筋のストレッチ
ふくらはぎ(ヒラメ筋)のストレッチに似ていますが、足の位置をやや内側にするだけで伸びます。
- 目的:
- 骨膜への過度な引っ張りストレスを軽減し、柔軟性を高めることで疲労をためないこと。
- 効果:
- すねの内側の痛み緩和、足のアーチ維持(扁平足改善)、走行時の衝撃吸収向上。
- 片方の足を前に出す。
- もう一方の足を後ろに伸ばし、踵を床に押し付ける。
- 無理のない範囲で20〜30秒キープする。
- 左右交互に2〜3セット行う。
シンスプリント予防のすねの前方筋(前脛骨筋)のストレッチ
- 目的:
- 硬くなった筋肉の緊張をほぐし、柔軟性を高めて疲労や痛みを緩和・予防する。
- 効果:
- 足首の動きの改善、歩行・ランニング時のすねへの負担軽減、むくみ・冷えの解消など。
- 片方の足を後ろに伸ばし、足の甲を床に押し付ける。
- 無理のない範囲で20〜30秒キープする。
- 左右交互に2〜3セット行う。
シンスプリント予防の足指のストレッチ
- 目的:
- 足裏や下腿の柔軟性を高め、ランニング・歩行時の衝撃を分散させる。
- 効果:
- 足指を広げたり足裏をほぐすことで、筋肉の緊張を和らげ、アーチ機能の低下によるすねの骨膜への負担を軽減し、慢性的な痛みの再発を防止する。
- タオルを床に敷いて足指で手前に手繰り寄せる。
- 10回程度を目安とすると過度な負荷がかからずに良い。
シンスプリント予防の足裏のストレッチ
- 目的:
- 足底筋やアーチ(土踏まず)の柔軟性を高め、着地時の衝撃吸収力を向上させる。
- 効果:
- 疲労した足裏・すねの緊張緩和、足の疲労蓄積の防止、そしてすねの骨膜にかかる負担を軽減し、痛みや再発を防ぐ。
- ゴルフボールやテニスボール(硬いボール)を足裏に置き、全体で転がす。
- 20〜30秒程度が目安。
足裏のストレッチの注意点
- 痛みが強くならないように気持ちがいい程度に留める。
- 反動をつけない。
- 呼吸を止めない。
- 強い痛みがある場合はすぐに中止する。
シンスプリント予防の下腿部の筋力増強訓練
- 目的:
- 衝撃吸収能力を向上させ、脛骨(すねの骨)への負担を減らす。足首のぐらつきを抑え、後脛骨筋などのすねを引っ張る筋肉の過緊張を防ぐ。
- 効果:
- 筋肉の柔軟性と筋力を保つことで、骨膜への過度な牽引ストレスを低減。ふくらはぎ、すね、足底の筋力バランスを整えランニングフォームが安定する。
- カーフレイズ(踵上げ)15〜20回を目安に2〜3セット行う。
- 足の指先が曲がらないように注意する。
シンスプリント予防のバランスボールを用いた体幹トレーニング
なぜ、体幹のトレーニングが必要なのか・・・
片足着地ジャンプ時は、体幹と股関節の回旋運動が生じ、その時に脛骨後内側部痛が起こる1つの因子とされています。
体幹や股関節の運動量が増える(安定性の低下)と、膝や足関節は過度な運動を招くことが考えられており、筋肉などに負担が大きくかかる事が指摘されています。
また、体幹や股関節の安定性低下は、接触プレーや切り返し時に足の姿勢不良に繋がる可能性があります。
以上のことより、日々のトレーニングによる体幹筋強化は重要となってきます。
- 矢印の方向へバランスボールを持ち上げる。
- 各方向に15〜20回を目安に2〜3セット行う。