高齢者にとって肺炎は、非常に危険な病気です。その理由は、体力や抵抗力・免疫力が低下している高齢者は、肺炎になりやすく、症状も急激に悪化することがあるからです。また、典型的な肺炎の症状が出にくいことで発見が遅れることも理由の一つです。
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高齢者の肺炎について
このような危険な肺炎に、高齢者がならないために大切なことは以下の3点です。
- 風邪やインフルエンザにならないように、抵抗力・免疫力を落とさない生活を心がけましょう。
- 誤嚥を防ぎましょう。
- 肺炎球菌ワクチンとインフルエンザワクチンの予防接種を受けましょう。
もし、肺炎になったら、早期発見・早期治療が第一です。なるべく早く病院で適切な診断と治療を受けてください。
高齢者が注意すべき肺炎 細菌性肺炎と誤嚥性肺炎
高齢者の肺炎の多くの原因は細菌性肺炎と誤嚥性肺炎です。細菌性肺炎は、高齢者が体力や抵抗力・免疫力がない状態で、細菌が肺で繁殖して感染を起こす肺炎です。
誤嚥性肺炎は、唾液や食物などが気管に入って、その唾液や食物に含まれた細菌が気管から肺に入り炎症を起こす肺炎です。
高齢者が肺炎にならないために、日常生活において大切な3つのことを心がけることで、どちらの肺炎にも予防の効果があります。
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高齢者の誤嚥性肺炎について
風邪やインフルエンザにならないように抵抗力・免疫力を落とさない生活を心がけましょう
- 抵抗力・免疫力を落とさない。規則正しい生活、しっかり栄養を取ること、睡眠をしっかり取ること(不眠症の方は治療する)。
- 体の抵抗力・免疫力を上げるために体の保温につとめること。適度な運動は有効です。
- 風邪やインフルエンザになった時にはしっかり水分を摂取する。
- うがい、手洗い、マスクの装着で風邪・インフルエンザの予防をする。肺炎の予防につながる。
誤嚥を防ぎましょう
- よく噛んで、食べ物を小さくして飲み込みやすくしましょう。食べ物が食道に入っていることを意識しながらゆっくり食事する。
- 食べる姿勢に気をつけましょう。横にならずきちんと座って食べる。
- 食事の後、すぐに横にならない。すぐに横になると胃液が逆流することがあるので。
- 口の中を常に清潔に。口腔は雑菌が繁殖しやすいため、就寝前は歯磨きやうがいをしましょう。
- 寝る姿勢に気をつけましょう。痰がたまりにくく、息苦しくない姿勢で。
肺炎球菌ワクチンとインフルエンザワクチンの予防接種を受けましょう
肺炎球菌ワクチンは、肺炎球菌による感染症(肺炎など)を予防します。日常生活でかかる肺炎の原因菌として最も多い肺炎球菌の予防接種をすることで、リスクを減らしましょう。
インフルエンザから二次的に肺炎になる高齢者も多くいます。インフルエンザウイルスは、その年によって流行する種類が変わります。1年に1回予防接種を受けることは、肺炎予防だけでなく、高齢者の入院頻度、死亡率を減らすことが分かっています。
高齢者の肺炎球菌ワクチン接種は各自治体による定期接種です。また、高齢者のインフルエンザ予防接種も各自治体により実施されています。
各予防接種についての詳しいこと(実施期間、対象者、自己負担額など)は、お住いの各自治体にお問い合わせ下さい。