深部静脈血栓症は、深部静脈に血液の塊の血栓ができ、血流がせき止められることで様々な症状を引き起こす病気です。下肢の静脈にできた血栓がはがれ、血流に乗り、肺に達すると肺塞栓症を併発する死にも至る危険な病気です。
深部静脈血栓症は、エコノミークラス症候群とも呼ばれています。飛行機内のエコノミークラスの狭い座席に、同じ姿勢で長時間座り続けると起こることが名前の由来です。
同じ姿勢を長時間とることが原因の深部静脈血栓症は、病院でも、手術後や怪我などの負傷により、長期間ベッドで安静にしている場合や寝たきりの場合に発生することが多く、病院スタッフがとくに注意を払う合併症の一つです。
手術後に注意すべき深部静脈血栓症
深部静脈血栓症は、手術後にリスクが高くなります。手術中の長時間の同じ姿勢や手術後の身体に強く働く止血機能により、血栓ができやすくなります。
また、入院中、安静・寝たきりを続けると、筋力が低下し、血圧調整の障害や心拍数の低下などが起こります。よって、血液の循環が不順になるため、血液がドロドロになり、深部静脈血栓症のリスクが高くなります。
臨床的には、ほとんどが下肢の深部静脈に発生します。人工股関節置換術を行った患者様の10人に3人程度が、深部静脈血栓症を発症しているとの報告もあります。
深部静脈血栓症を予防するためのストレッチを紹介
予防のために、薬物療法や弾性ストッキングを使う方法もありますが、今回は、予防の効果があるベッド上でもできるストレッチを紹介します。エコノミークラス症候群にも有効です。長いドライブの休憩中、長いフライトの機内でもお試しください。
足関節運動
むこうずねの筋肉をリズミカルに収縮させ、足を上下に動かします。 この運動を、2~3分間続け、1時間に2~3回定期的に実行することで血流の改善につなげます。
母趾外転運動
足の親指の周りに厚い輪ゴムを付け、お互いの親指が離れるように引きます。10回2セット 。
足趾外転運動
厚い輪ゴムを足の指の全周にかけ広げます。 この位置を5秒間維持し、10回繰り返します。
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